2020年9月の日記です
*
この夏、旭川市神居共栄の開拓地跡を訪ねてみた。
敗戦前後に旭川に開拓に入った拓北農兵隊の開拓地跡だ。
開高健さんの『ロビンソンの末裔』の舞台。
しかし、車で現地に行くと、やけに立派な舗装道路だけがどんどん山の中に入っていってしまい、開拓地跡と思われる土地はまったくわからない。
舗装道路を山の上まで行くとゴミの廃棄場があって、ダンプが集まっていた。
周りはまったくの山の中。
やはり素人だけでは歴史の確認はなかなか難しいなと思ったが、しかし、よくもまあこんなところを開拓したもんだなと改めて思う。
山のふもとの上雨紛地区や雨紛地区の農家や田んぼ、雨紛神社、雨紛の小中学校などを眺めると、その環境の差は歴然だ。
本当に大変だったんだろうと思う。
新潟に帰ってきて、大原槇子さんの『クマイザの二十三軒』で確認をしながら、記憶をたどると、少し地理的にわかるところもあって、やはりいい本だ。
そして、開高さんの『ロビンソンの末裔』もやはりすばらしい。
いい小説やいいノンフィクションを読むことは、こころの深さを深め、まなざしの幅を広げてくれるようだ。
来年も、また再訪してみたい。 (2020. 9 記)