2017年4月の「朝日新聞」村上春樹さんのインタヴュー「『騎士団長殺し』の執筆語る」 | ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)  

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 2017年春のブログです

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 今朝の「朝日新聞」に載った村上春樹さんのインタヴュー「『騎士団長殺し』の執筆語る」を読みました。

 あまり自分の小説については語らない村上さんが、めずらしく少しだけ語っておられます(とはいっても、一面の半分程度のあいかわらず控えめな発言ですが…。小説について言いたいことは、できるだけ小説でしか表現しない、と日ごろからおっしゃっている村上さんらしいです)。

 印象的だったのは、やはり、子どもが誕生した結末について。

 何かを引き継いでほしいという気持ちがある、それが何なのか、自分でもよくわからないけれど、と正直に述べられています。

 また、びっくりしたのが、この小説を執筆中だった一昨年の秋に、東北の沿岸を一人で車で走ったということ(そういえば、そういう光景が小説の重要な部分として出てきます)。

 じーじも偶然、村上さんに少し遅れて昨年の5月の連休に車で走ってみましたが、精神的にかなり大きな衝撃を感じて、いろいろと考えさせられました(そのいきさつは昨年、ブログに書きました)。

 さらにはまた、最近、トランプさんに代表されるような、世界各地で見られる、異物を排除すれば世の中がよくなる、という考えへの危惧なども指摘されています。

 しかし、それらには、政治的な発言より、物語で語っていきたい、という小説家としての強い覚悟を持っておられるようで、そういったものを強く感じました。

 短く、質素な内容ながら、考えさせられることのとても多いインタヴューだと思います。    (2017.4 記)