大手町のゴースト2024 65 摩天楼ヲ飛べ! | のむりんのブログ

のむりんのブログ

私のいろんな作文です。原則として日曜日、水曜日および金曜日に投稿します。作文のほか、演劇やキリスト教の記事を載せます。みなさまよろしくお願いします。

65

 

 

 

 

 

 

私はスーパーマン?いや、スパイダーマン?

 

頭の中で、序曲は進み、トウナイトのメロディーへと流れました。

 

♪ ツナイト、ツナイト、タララータ、ターラーラー

 

ああ。英語の歌詞は意味がよくわからないが、流れている。

 

そして課長は飛んでいる。

 

夜の摩天楼の谷間を、課長は飛んでいる。誰かが課長の体を捧げるようにしてささえて、猛烈な勢いで、空を飛んでいるのです!

 

誰?

 

「・・・課長、おひさしぶりね」

 

耳元を切り裂く強い風の流れのかなたで、聞き取りにくい声がしました。

 

「あら、課長じゃなかったかしら」

 

いや、私は課長というものです。すると、

 

「重かぞ課長、こら、なにどんくさ、しよっと!だらしなかぞ、しっかりせんか!」

 

そのように、何者かにどやされ、しかし、課長は猛スピードで空を飛んだのです。

 

オフィスの輝くビルの渓谷を、飛んでゆくのです。

 

眼前に、渓谷に立ちふさがる、四角い窓がいっぱいの、垂直なビルの壁。

 

あ、ぶつかる、ぶつかる!

 

度肝をぬかれたら、また大きくカーブを描いて、斜め上へと旋回。

 

「はははは、この、お馬鹿!」

 

けたたましい声、勝ち誇って、愉快そうに笑ったのですう!

 

飛び続けると、大きな窓が見え、驚いて目を大きく見開き、口もあんぐり開けた人々が、その窓の中からこちらを見ていたのです。

 

その窓は、課長がダイブした窓で、驚いてこちらを見ているのは、課長を突き落とした悪党どもです!

 

「あら、いたわよ、イケメン刑事様が!あそこで、びっくりしていらっしゃるわ。もう、あたしったら、はしたないかしら、課長!」

 

課長をつかんだ手に、ぎゅうと力がこめられました。

 

痛い!ばか力だ。

 

空を飛ぶ勢いだけでものすごいのに、握る力も怪力だ。

 

「どうなの、課長!」

 

「どうなの、って・・・あなた、もしや・・・」

 

「もしや?」

 

「アカネくん!」

 

  はははは、と、また笑い声。

 

「そのアカネくんとは、課長にとっての、一体何なの?」

 

「いつもお世話になっている、私の課の、課員・・・」

 

「あら、そうなの。いつもお世話だなんて、心にもない。何かお世話したかい、そのアカネが!」

 

・・・・つづく

 

 

 

 

 

 

 

追伸

みなさま!!娘の夏休みの宿題で忙殺され、投稿が途絶えがち遅れがちです。すみません・・・

やっと先週、英語が終わり、本日、娘とともに教会ミサにいってまいりました。今週は数学です。再来週は京都旅行なので、なんとしても、今週、がんばらねば!!