休暇がとれましたのでこんな時間に投稿します。テレワーク勤務で通勤時間がカットされ、時間に余裕がでますので、今後、隔日投稿が原則になるかもしれません。
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私はいった。
「実はここのオーナーに会いたい用事があるんですよ」
「そう。どんな?」
男は心の中で、本当は警察だな…、と考えているような顔をし、横目で私を見ながら言った。
「ある女性に頼まれてですね、不倫関係をやめるということを代理でオーナーに言いたくてですね。
あの、実は私、私立探偵なんです、相応のお礼はいたしますから、オーナーの居所を教えてくれないでしょうか」
男は私を横目で睨み、ふふっと口元に笑いを浮べていった。
「うまいこというね。不倫をやめるための交渉か。今とっさに思いついたんだろう?大丈夫だよ、俺は社会正義の味方だ。
いや、ざっくばらんにいうと、さっきあんたがご指摘の通り、この店がどうかなれば、この店の借金から逃れられるということはある、御免なさい」
男はペコリと頭を下げた。
「しかし、警察には協力するよ。覆面捜査は無用だ。オーナーの住所はここだ。早く書き留めてよ。バーテンが帰ってこないうちにさ。
俺が言ったなんて、もちろんいわないでね」
男は裏に住所や電話番号が書かれたテリーの名刺を出した。わたしは慌ててその住所を手帳に書きつけながらいった。
「大丈夫、私は、市民の安全を守るのが義務ですから。あなたのご協力を、誰に対しても口外することはありません」
男はうなずき、またウイスキーを飲んだ。
私は店を後にして、大岡川の近くに駐車していた車まで戻った。
シートに座って少しの間考えた。
しかし躊躇しても始まらないと思い、携帯電話を取り出して、テリーのダイヤルをプッシュした。電話のベルが4回鳴ったところで、受話器が外れた。
「はい」という男の声がした。
私はいった。
「延岡さんのお宅でしょうか?」
「ええ。そうですが。あなた、どなた?」
くぐもったような、聞き取りにくい声だった。
「突然お電話して、申し訳ありません。木邑綾子の知り合いの者です」
「…」
電話の向うの男は無言だった。私は矢継ぎ早に言った。
「本当に、お休みのところ、申し訳ありませんが、木邑さんから、あることを頼まれまして、正直に申し上げますと、もう、お別れしたいと、木邑さんはおっしゃってるんです」
「質問にはきちんと答えたらどう?あなた、どなた?「木邑の知り合い」じゃあ答になってないんじゃないか?」
電話の声色は淡々としていて、言葉にこめられた感情は読みにくかった。しかし、こそこそした言い回しは逆効果であるように思われた。
私はいった。
「私は、玖村敦彦という者です。私立探偵をやってます。木邑さんは私の依頼人です。あなたとの関係をお終いにする交渉の、代理人として雇われました」
「…・」
電話はまた黙り込んだ。
私はいった。
「正直いって、本来、私の業務とも思えないんですが、木邑さんは真剣そのものでして、本当に困っていらっしゃるようで、私のところにいらっしゃったんです。
確かに、この手の話は当人同士よりも第三者が間に立った方がいい場合もあるかもしれないと考えまして。
電話では何ですから、直接会っていただくわけには参りませんでしょうか?」
・・・・・つづく
ベニーグッドマンのレッツダンスは、いろんなヴァージョンがあるようですが、
わたしゃァ1939年のこれがいいです。ちょっとスピードがあってスイングしてる
感じがいい。最初に聴いたのがこれでしたし。
しかし、1939年って、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が
はじまった年ですよね。その年のアメリカのヒット曲がこれだったのか。
あとで自分で聴く用に、以下、添付します。最近、みなとみらいのスーパーマーケットで
ベニーグッドマンの曲がよく流れてるんで、聴きたくなりました。みなさまも、もし
よろしかったらどうそ!
この映画をみて渡辺貞夫氏はジャズの道にすすむと決心したとか。
私も昔テレビでみました。このさいDVDも買おうと思います。
ベニーグッドマンききながら、これから、ベランダで、ビールを飲みます。
今日はいい天気です。
