古い価値観の復活
岸田内閣の初仕事「こども庁」の創設に際し、突然名前を「こども家庭庁」に変更すると発表しました。複数の省庁にまたがるこどもの課題を一元化して解決するために、総理大臣の直属の機関として強い司令塔を目指すとしています。そこに突然の名前の変更です。マスコミでもなぜ『家庭』が入ってきたのか、疑問の声が上がりました。「元々『こども庁』を主導した議員たちは『いじめ』や『家庭内の虐待』などを防ぐため、『家庭の中の子ども』という位置付けではなく、子どもも権利を持つ主体だとしたい思いがあって、あえて『家庭』は入れていなかった」と報道されています。
自民党草案は、現憲法24条に新たに1項を設け「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。」と規定しました。
24条はもともと婚姻における両性の平等を規定し、その土台として配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定等を規定する法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されな変えればならないと書いている条項です。
これは戦前の「家」制度の下で、結婚は家長の同意なしには認められず、妻には財産の管理権も相続権も認められなかったことを否定する大事な条項です。
ここに家族をあえて入れることと、先の「こども家庭庁」への名称変更とが繋がっているのです。
戦前文部省が天皇中心思想を普及するために編纂した『国体の本義』には「我が国民の生活の基本は、西洋のごとく個人でもなければ夫婦でもない。それは家である」「我が国は一大家族国家であって、皇室は臣民の宗家にましまし、国家生活の中心であらせられる」と書かれており、家族と国家を同一視して天皇への忠誠を国民(臣民)の義務と教えました。この家制度を基本にして天皇制国家が成り立っていたのです。すなわち家長に対し天皇が、家族に対し臣民が対になっているです。
近代的価値観を敵視し、「個人」ではなく「家族」を社会の基礎的単位としてあえて位置づけ直すことは、古い価値観の復活の危険性があります。自民党憲法草案が天皇中心の伝統、国家の継承を憲法の目的に据えていることと合わせて考えると、日本を戦争できる国に作り直し、国民を国家護持の兵隊として再生しようとする自民党の思惑が見えてきます。
このような国民を戦争へと導こうとするすべてのことに、私はNOを突きつけ、改憲のすべての行動を注視し阻止しなければならないと思います。
新しい年も、改憲の動きが急です。心新たに2022年を迎えたいと思います。
同窓親和会ニュース(2022年.1月号)に寄稿























