ありがとう おばあちゃん④ | おばあちゃんとりんごの庭

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認知症+胃ろうのおばあちゃんの在宅介護を経験

現在は失語症の父の介護中

なんてことない日常
だけど大切な日々のあれこれ

自分らしく色々綴っていきます♪


部屋から介護ベッドがなくなり

代わりに祭壇と沢山の花が置かれました

『盆と正月が一緒にきたようだな』

そうおばあちゃんが言いそうなくらい

色とりどりの花たちに囲まれていました


祭壇に食事をお供えしてお線香をあげて

遺影に向かって手を合わせる毎日

それでも亡くなった実感はありませんでした

ここにおばあちゃんはいない

ただそう思うだけでした


それからしばらくして夢を見ました

横になってるおばあちゃんの痰がゴロゴロ

早く吸引しなきゃ!!

ものすごく焦っていました

無事に吸引を終え、寝ているおばあちゃんを見て

『な〜んだ』
『やっぱりおばあちゃん生きてるじゃん』
『死んだなんて嘘だったんじゃん』

そう口にして笑っている自分がいました


そして目が覚めて夢だったと気付いたこと

そして毎日していた痰の吸引

1日に何度も何度もしていたのに

今はもう出来ないかもしれない

それくらい自分が介護から離れて時間が経ったこと

私の介護生活は本当に終わった

終わってしまったんだと思いました


介護生活が終わること

つまりおばあちゃんがいなくなること

いつもそのことに怯えていました

『死は忌み嫌うものではない』

介護や看取りをテーマにした番組で聞いた言葉

この世に生まれて そして死んでいくこと

それは誰にも変えられない

それは誰にでも平等に訪れるもの

頭ではわかっていても

その時がくることが何よりも怖かった

その日が来なければいいと願っていました


私の中心であった介護がなくなり

ポンッと1人外に投げ出されたような感覚

『介護が終わったから 次は自分の事だね』

そう言われても すぐにそんな風には思えない

介護生活が終われば自分もお役御免でいい

ずっとそう思ってやってきたから

生きる意味を失ったように感じていました

そう感じるのと同時に

これから『私が生きる意味』を教えてほしい

誰でもない誰かに問いかける日々が続きました