落語心中 | From Rabbit House

From Rabbit House

好きな音楽や日々の暮らしを
思うまま感じるまま。

猛烈な台風25号も過ぎ去り、うちは被害がなく とりあえずホッとしています(車は夫実家に避難させていたので、風でゴミ箱が転がっていたくらい)

そろそろ台風も打ち止めにしてほしいですね。

 

そんなわけで昨日は1日家に じっとこもっていたので(夫は仕事でしたが)、普段できない家の用事をしたりネットしたりで。

 

 

『GYAO!』で、たまたま目についたアニメ『昭和元禄落語心中』

 

無料配信 終了間近なので1日かけて全部(13話+12話)観ました。

面白かったー。

 

 

最初は与太郎(八代目 有楽亭八雲の弟子)の話かと思ったら、八雲が主人公でした。

続編(助六再び篇)で与太郎がメインになったけれど、全編を通じて八雲の一生が描かれていました。

 

 

親から厄介払いされ噺家の家に弟子入りさせられ、しぶしぶ落語を始めた菊比古(八雲)と、初めから落語が大好きで自ら弟子入り志願した初太郎(助六)。

 

前座から二ツ目、真打へと昇進し、天才と言われる兄弟弟子の助六に憧れ嫉妬し、でも自分の落語を見つけ どんどん落語が楽しく好きになり没頭して、芸のために女(芸者みよ吉)を袖にする八雲(菊比古)。

 

 

芸事をする人ってのは、そういうところが あるんでしょうかね。

まぁ、お稽古お稽古で会う時間も作れなかったりするだろうし。

 

(でも、別れ方もまずけりゃ、再会した時に受け入れたのもまずかった・・)

 

 

結局それが発端(一因)となり、周りの人の人生の歯車が狂い始める。

八雲は自分を責め、誰とも結婚せず落語と心中しようとする、そんな お話。

 

 

 

どのキャラクターも魅力的で(みよ吉の声が色っぽくて好い。でも、みよ吉も娘の小夏も自分勝手で、親子揃って女将さんに迷惑かけすぎ)、落語も結構長い尺で高座(寄席)のシーンがあり良かったです。

 

 

主題歌は椎名林檎の作詞作曲(歌は、みよ吉の声の方)で、落語シーンにもジャズが使われていたりでシャレてて若い人にも親しみやすい つくりになっています。

 

 

あと、助六役が声優界の大御所 山ちゃん(山寺さん)で、本当に落語が上手い!!

流石としか言いようがない。

 

普段、声だけで感情を表現する声優さんだからこそ、落語特有の声だけの演じ分けや説得力がすごいなぁと感心しました。

 

 

 

八雲は、みよ吉と助六が死んでから『死神』に憑りつかれたように ずっと死にたいと思っていたんだろうね。

でも小夏がいるから死ねない。

 

二人が死んだのは自分のせいだと引き取って育てて、独りが好きと言いながら今までとらなかった弟子(与太郎)をとり、その二人が夫婦になり一緒に暮らす。

 

 

親から捨てられ愛情に飢えていたから、落語に全てをささげ、そこに生きる道を見出し、そして血の繋がりのない者たちと家族になる。

 

身寄りのない者同士(八雲と小夏も本当の親子じゃないし、小夏の子と与太郎も本当の親子じゃないけれども、血の繋がりを超えた絆がある)が肩を寄せ合いって感じで辛く切ないけれども、それなりに素敵な人生だったんじゃないでしょうか。

 

 

 

で、この『昭和元禄落語心中』、今週からNHKでドラマ化されるそうですね。

キャストもまずまず、雰囲気的に良いんじゃないかしら。

 

主人公の八雲は岡田将生、助六は山崎育三郎

 

 

岡田将生は顔も綺麗だし色っぽい感じもあるし、もう少し線の細い(顔は別として佐藤健みたいな小柄で華奢な)人の方が良いけれど他に適任な人もいなさそうだし。

 

むしろ松田さん役の篠井英介さんの若い頃なら雰囲気が近いのかも(若い頃知らないけれど。今の風貌なら、そのまま八雲の晩年ができそうじゃない?)

 

 

山崎育三郎はミュージカル仕込みの発声や活舌の良さ、器用な感じで天才落語家 助六を演じてくれそうです。

 

(タレ目具合も似ているし。もうちょっとガタイが良い方がいいけど。岡田将生の方が背が高いから(原作だと助六の方が大きい))

 

 

秋からの楽しみができました。

機会があれば原作の漫画を読んでみたいな。

 

やっぱり落語は面白い。

大好きです。