「行政事件訴訟法がやってくれるならいいけど、自分でやるのは面倒でイヤだな…」(憲法 談)



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 行政事件訴訟法は、憲法の意向に沿い、国民の自由とかを守るために違法な行政行為の効力を何とかしようとする法律ですが

 行政訴訟の勝訴率は低く、何だかんだ言って行政権の裁量を尊重し、軍門に下ってしまうようなヘタレです。

 けれど、憲法は彼を叱ることは殆どないです。
 行政事件訴訟法が出来ない以上、そういうものだと納得します。
 一旦任せた以上は、彼を信頼しているし、本来自分のすべきことを代わりにやってくれている大切な弟分なんです。

 憲法は、サボりクセもあるし、怠け者だし、動くにはちょっと大物過ぎて、あまり動かれるのもかえって問題だし…
 下から見れば、ちょっと困ったリーダーですけど
 それでもやっぱり、リーダーなんだなぁと思います。

 …でも、もうちょっと行政事件訴訟法を責任もって監督した方がいいんじゃないかな…。


 
「何があったかは、なんとなく察しがつくなぁ…」(憲法 談)



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 行政事件訴訟法は、行政救済法として、憲法さんの委託するところの国民の権利利益の救済や違法な行政運営の是正を目的としてお仕事をするのですが…

 実際には、行政裁判というのは非常に困難と言うか…。
 なかなかコレに勝訴して救済を実現することは難しい…。

 色々オトナの事情があるんです。
 公益性とか何とかね…。

 憲法さんが、違憲法令審査権とか言って、違憲の法令を否定するように
 行政事件訴訟法は、違法な行政運営の無効取消について頑張るという意味で

 行政事件訴訟法は、憲法さんを非常に尊敬しマネてると見られます。

 行政事件訴訟法が憲法さんの為に何とかしたいという気持ちに嘘はない…。
 ただ、彼は弱っちいだけ…。



「えー? アニキがオレっちのこと騙すわけないスよー」
(行政事件訴訟法 談)



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 憲法や行政法(行政事件訴訟法も含む)は、「公法」という分類に分けられることがあります。

 民法のような私人間に関する法律を「私法」と呼ぶのに対置される概念で、一般には、国家と国民の関係の規律および国家の規律を行う法を意味する用語として用いられます。

 が、法学の世界では割と最初の段階で「公法ってなんやねん」みたいな疑問が呈されまして、散々あれやこれや悩んだ結果、

「公法という概念には、あんまり意味がない」
という結論に落ち着きます。

 ・・・法学って、ヨソから見るとアホな学問かも知れないですねぇ…。

 あんまり意味がなくとも、憲法をリスペクトしている行政事件訴訟法にとっては、『公法』という一緒の分類にいること自体に意味があるのかも知れません。

 

「どうも私ってば、悪いイメージで見られがちなんだよねぇ…」(破産法 談)



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 破産法は、清算型倒産手続について規定する法律です。

 ちなみに、「破産法」「民事再生法」「会社更生法」「会社法の特別清算に関する諸規定」を総称して、講学上『倒産法』と呼んだりします。

 破産は「悪いこと」のように思われがちですが、社会全体の視点で見ると、不健全な経営状態を一旦分解・清算して、再生を促すための大切な手段とされてます。

 ・・・再生のための破壊。

 そう言えばそれって、なんかシヴァ神信仰に似てないですか。
「でもたまには仕事しないと、法律界はオレが牛耳っちゃいますよ?」(民法 談)


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「権利の上に眠る者は、保護しない」
 とは、民法が伝統的に受け継いできた家訓のようなものです。

 時効についての考え方で

 例えば10年ないし20年、他人の土地を占有してると、時効が完成して、占有してた人が土地を取得したりするんですけど

 逆に、本来の土地の持ち主は、土地を失うことになっちゃいます。

 例え、その持ち主が、その土地が自分の物であると証拠上明らかに証明できたとしても。

「長い間、所有者っぽくしてたんだから、もう所有者ってコトでいいじゃん」

 大雑把な民法は、そう言うと思われます。

 んで、文句を言いたい本来の土地の持ち主に対しては…

「はぁ?大事な土地ならちゃんとキープしときなよ。
 他人に居座らせて放置してたんだから、別に大事なんじゃないんでしょ。
 そういう人のことを『権利の上に眠る者』って言うんだよ」

 結構手厳しい。


 ちなみに、第2話といい、民法は憲法をよく怒ってますけど
 最高法規の憲法を叱れるなんて、民法ならではです。
 民法は法律界の実質的なドンなんです。



「ヘタに流行を追うと、後で恥かしいことになりません?」
(覚せい剤取締法 談)


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 「当時の流行」と言うか

 この法律の制定当時は、当用漢字表外の字には漢字を使わずに、その読みの平仮名で表記しつつ傍点「ヽ」を付けるする取扱いをしてたそうです。

 けど、そのやり方は今はやってないんで、後に改正された部分については傍点が付いてないです。
 そのため、覚せい剤取締法内には、傍点の付く「覚せい剤」とそうでない「覚せい剤」が混在しています。

 付いてる部分と、付いてない部分とで意味が違うワケじゃないんです。

 深い意味は無いんですよねぇ…。


「でも、初対面の人みんなその辺聞いてくれるんで、話題づくりのひとつにはなるんじゃないかな」
(覚せい剤取締法 談)



「で、でもオレ、総論はまだまだイケてると思うぞ」(刑法談)



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 薬物系特別刑法、名前だけ出まくりです。
 他に『あへん法』なんかもあります。

 この辺、各論的には確かに刑法は弱いですね。
 ちっともカバーできてない。

 けど、欄外で刑法が申し上げている通り、彼は総論と言って、刑罰関連法規を網羅する一般的な規定を持ってます。
  
 およそ特別刑法は、その規定に従うことになるんで
 刑法は刑事関連法規のリーダーであり続けることが出来るんでしょう。

 リーダーは細かい仕事は出来なくていいワケで
 彼の真価は総論にあります。

 だから役立たずとか言って、イジメないであげて下さい…。


「時代遅れだからって、規制しない理由はないよな」(刑法 談)



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 あへん(阿片)は麻薬の一種で、ケシの実から生産されるそうです。
 ケシは美しいのに、つくづく罪深い花ですねぇ…。

 さて。
 刑法は、第十四章に『あへん煙に関する罪』を規定してます。

 が、 薬物犯罪については、各種特別法に委ねられています。
 刑法には、その痕跡が残されているだけで…。
 その痕跡こそが、『あへん煙に関する罪』。

 ちなみに、アヘンに関しても、あへん法ってのがいるので
 法定刑が重いあへん法の規定で処罰されるのが殆どです。

 最早刑法の『あへん煙に関する罪』の出番は…。

 薬物事犯てのは、『被害者なき犯罪』とか言われるもので

 違法薬物が暴力団とかの反社会的組織みたいなのの資金源になってしまい、社会の秩序が乱れちゃったらヤだなぁ、とか
 違法薬物によって人が健康を害したらヤだなぁ、とか

 そんな理由から刑法らが
「人の身柄を拘束してでも、薬との関係を断ち切ってあげよう」

 というお節介をやいている規定と見て良いでしょう。

 ですから、刑法に限らず、薬物関係法規はみんなお節介の血筋です。


 「他人のことを言える身ではありませんが、私も小切手法68条はいくらなんでもと思います…」(商法 談)



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 手形法は、約束手形及び為替手形に関する法律関係について規定した法律で
 小切手法は、小切手について規定した法律です。

 商法が泣きついてるのは、法体系的には、商法の仲間なので。

 そしてまさに!
 全文カタカナ!
 読みにくいことこの上なし。

 小切手法68条には
『朝鮮、台湾、樺太、関東州、南洋群島又ハ勅令ヲ以テ指定スル亜細亜洲ノ地域ニ於テ振出シ日本内地ニ於テ支払フベキ小切手ノ呈示期間ハ勅令ヲ以テ之ヲ伸長スルコトヲ得』

 とまあ、戦前のいわゆる『外地』に関する規定がそのまま残ってるんですね。
 見たときには目を疑いました。

 けど、彼らは現役で頑張ってます。
 古臭いと言われようと、時代錯誤と言われようと…。

 最近は電子決済が主流になってきて、手形・小切手自体が廃れつつありますけど
 それでも彼らはその任務を終える最後の瞬間まで
 自分の存在意義を疑うことなく、使命に誇りを持って生きていくんです。

 戦前の日本には、反省すべき点も多々あるが
 ある種の美学があった…。

 彼らは、そんな美学の体現者…。


「確かに私は、部分的にカタカナで喋りますけど…」(商法 談)



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 民法は平成17年、まさに会社法が独立した年に、平仮名化しました。
 それまでは、部分的にカタカナで喋ってましたねぇ。
 刑法は、平成7年。もっと早かったです。

 カタカナで時代を感じさせる言葉は、現代語化する過程で削られていきました。

 平成17年までは、商法は商業使用人の話題で、「番頭」「手代」といった江戸を感じさせる言葉遣いまでしており、かなり笑いものになってましたが
 やっとそういった死語も消えました。

 時代を感じさせるものが消えていくことは、やや寂しくもありますが…

 まだまだ時代を感じさせる古めかしい法律が、削除もされず、放置状態のまま残っていたりするので
 寂しくなんてない…。きっと。