「経過措置と言って下さいよ・・・」
(家事審判法(廃) 談)


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 はい。
「じゃあさっきのは・・・」
 コレは欄外で家事審判法(廃)が仰っているように、幽霊とかじゃなくて経過措置ですから。
 廃止されていきなり全部ストップすると、困るっしょ。

「非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」3条に、家事審判法の廃止が規定され
 4条に家事事件についての経過措置が規定されております。

 新法がどっから適用されて
 旧法がどこまで適用されるかってのは、ちゃんと明確になってないと困りますんで。

 ともかくそんなワケで
 丸々廃止された家事審判法に代わって、家事事件手続法が働くことになります。

 ちょっと家事審判法に似たカンジになってます。
 柔軟な手続と利便性をカールなカンジで。
 あと、職権主義的な規定を鑑みて、髪の色にやや黒を入れて・・・
 そんでもって少々現代的に~

 などとデザインを考えると自然にキャラクターの容貌が決まってきます。
(人事訴訟法のデザインもその要素入ってます)
 

「最期に民法さんとお仕事が出来て良かった・・・」
(家事審判法 談)


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 家事審判法が透けている理由は、第92話に出ますが
 分かっている方は分かっていることと思います。

 民法は、親族家族関係に関する一般的な規定を設けておりますが
 家庭内紛争の処理は、情緒的で訴訟的処理になじまないことが多いことや、性質上非公開で行う必要が高いことから、訴訟の形式によらない非公開の手続で処理するようになっておりまして
 そこが家事審判法の出番でございました。

 なお、家庭裁判所が扱う訴訟は、人事訴訟法により規律されておりまして
、こちらは既に登場済みです。(『第70話 人事訴訟法』

 今このタイミングで家事審判法を出したのは、先日の民法900条4号但書の最高裁大法廷違憲決定があったためです。

 何度もしつこく「違憲決定」と書いてあるんですが
 お気づきでしょうか。
「違憲判決」ではないのです。

 そもそもこの事件は、遺産分割の審判で始まっています。
 審判というのは、家庭裁判所がその事件の性質にふさわしい非公開の手続で、どのようにすれば家庭や親族の間で起きたいろいろな問題が円満に解決されるのかということをメインに考えます。
 んで、ときどき職権主義でもって、具体的妥当性を図りながら処理する仕組みになっているわけです。
 要は厳密な意味で「裁判」とは違うのです。

 アバウトに言うと
 裁判で出るのが判決なら、審判で出るのは決定ですね。
 決定に対して不服があれば、抗告等の手段があります。

 詳しくは書かないですが、とにかく厳密に言うと微妙に判決じゃないので注意、という意味で1本描いてみました。

 ちなみに例の最高裁の事件については
 正確には
『遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件』
のタイトルがついてます。



 若干イラストを修正しつつ差し替えたりしています。
 民法君は、元々描きやすいタイプの法律なので、あんまり絵が変わってはいないんですが、他を描き直している都合上一応。
 絵も描きやすいですが、性格も極めて描きやすい。
 ざっくりアバウトな民事一般法。
 基本的には私的自治で、何かを押しつけたりしない。
 それでもって色々な法律に絡んできます。
(この子、ホントに色々な法律と絡むよなー)
 サッパリとした気のイイ人だと思います。

 歴史的には、ドイツやらフランスやらイギリスやらの影響を受けつつ日本的だったりして、極めて雑種くさい法律ですんで
 雑種っぽい、きゃんきゃんしたカンジで描いています。
(上品ではなくて元気な感じかな)
 
 キャラクター的に意識しているのは
 男らしさですね。
 
 民法君が黄色とかオレンジ色のイメージなのは、やっぱり学生時代に使用していた基本書の影響が大きい。

 で、出番の少ない商法です。
 商法の条文はザックリ削られてしまったので、そんだけ中身がなくなってしまった・・・。
 条文の中は会社法の分が消えて空っぽなんですが
 それでも条文の最高値はでかいままなんで、ウドの大木を意識しています。
(ひでぇな)

 明治32年施行なんで、明治29年生まれの民法よりもやや若いはずなんですけど、どうにも言葉遣いとかがいちいち古くさい上に未だにカタカナが残っていて、時代遅れな方です。

 個人的にはコイツは結構どうでもいい・・・。



「わ、分かったってば・・・。憲法さんの言う通りにするよう・・・。」
(民法 談)



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 今回ややネームが多いですね。
 ウワサの非嫡出子相続分規定違憲訴訟の話を掘り下げています。

 ちなみに900条4号の規定はコレ。

「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」

 当マンガでは、いつもあまり内容に踏み込んでは描いていないのですが
 やっぱり、こんなでっかい判断が出たら興奮のあまり描いてしまいますよ!
 一応法律家的な血が騒ぐ!

 民法君は悪気はなかったんです。
 今までだって非嫡出子の相続分について大法廷で合憲判断出てましたから。
 戦後の大改正以来、憲法は文句を言わなかったし
 民法も、大改正の際に憲法にあわせて大胆に変わったつもりだったから。

 民法君の言うのは、民法900条4号が合憲になっていた際の理由。
 この民法君の見解、もっともだと思いますか?
 思ったとしてもおかしくはない。
 けど、おや?と思った方は人権感覚があるかもね。

 900条4号但書が違憲の疑いが強い、とは長く言われてきました。
 憲法さん的に考えればね。
 けど、憲法さんってばサボり魔ですから。

 ちなみに毎回遊んでますけど
 最後はBL展開ではありませんよっ! 


「憲法さんのために、すっごいすっごいイメチェンしたのに・・・!」
(民法 談)


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 過日の判例変更を受けて、憲法・民法の話が続きます。

 初お披露目の、戦前民法です。
 どうですか? 今の民法と違いますかね?

 明治31年施行の現行民法ですが
 戦後、日本国憲法の制定により、大幅な変更を迫られました。
 特に憲法の個人主義的な権利の制定から、家制度が廃止され、民法典内では親族・相続を中心に根っこから改正されたワケです。

 憲法色に染まった民法。
 自分は戦後憲法のために、変わった。
 相当な覚悟を決めて、変わった。
 その自負があります。

 まさか、その自分に、憲法にそぐわない部分があるなんて!
 思いもよらなかった。
 今までになく動揺しちゃってる民法君です。


「ひどいや!オレはすっかり憲法さん色に染まりきってると思ってるのに!」
(民法 談)



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 なんか動じない民法が珍しいことになっています。

 さて、そんなワケで、
 業界では民法900条4号但書前段の、非嫡出子の法定相続分についての規定の最高裁違憲決定が出るか!?出ないか!?という話題が俄然盛り上がってきています。

 以前、高裁レベルでは憲法14条1項に違反し無効であるとの判断も出ていたのですが、最高裁では依然合憲であるとの判断が続いていました。
 
 違憲の疑いが限りなく強く、いよいよ今度こそ最高裁の判例変更があるかということで、わくわくします。
(いや、当事者はわくわくどころじゃありませんが)

 そんな期待感から、1本マンガを作ってしまいました。
 
 勿論、憲法判断がどうなるかはまだ分かりません。
 それに応じて、マンガの続きも変わってくると思います。

 民法君の運命やいかに!?


「ちょっと手直しさえしとけば、憲法も文句を言わないだろうねぇ♪」(公職選挙法 談)


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 公職選挙法も再登場です。
 事情判決が続いたものの、いい加減是正されないんで、違憲無効判決ラッシュが起こった時期がありましたけど、その流れです。
 事情判決は、
「違憲状態だけど無効にすると影響がでかいから一応有効」
というのに比べ、違憲無効判決は無効です。
 その選挙区の選挙は無かったことになります。

 が
 一連の無効判決は、今のところ高裁レベルです。
 最高裁に係属している以上、その判決が出るまでは確定していないワケで。
 
 つまり、以前薬事法薬局距離制限規定違憲判決を取り上げましたが
『第53話 違憲立法審査権』(参照)

 そのときの薬事法のダメージに比べればまだ致命的ダメージではないのです。

 そのため、この公職選挙法、まだ余裕っぽいでしょ?
 なんか言いたいセリフで遊んでるし。
「ぐふっ」とか言ってみたいですよね。

 ちなみに出典は、アチコチにあります。
 まぜこぜです。

「第二第三の違憲状態」とか言ってますけど
 コレはシャレになってない。

 今話題になっている公職選挙法改正案。
 0増5減を含むものですが、これによって1票の格差が1.998倍まで縮小すると言われています。
 つまり「2倍を割ればまだ『違憲状態の事情判決が出ていたくらいまで巻き戻るだろ』というくらいの付け焼き刃のような改正案です。

 懲りない公職選挙法。
 国会議員の心に欲望の闇がある限り・・・


「公選法のヤツ、口では事情を酌まなくていいなんて言うけど(公職選挙法219条1項)、ホントに口だけスよ・・・」
(行政事件訴訟法 談)



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 一応主役のハズの憲法さんが沈んだままなのは、マンガとして座りが悪いので、浮上編です。

 簡単なあらすじを述べると
 公職選挙法13条・14条の選挙区及び別表に定める選挙区割によると、選挙区毎に選挙権の一票の価値に格差があり、それが憲法14条法の下の平等に反するのではないかということで、議員定数不均衡訴訟が結構長いこと提起され続けてきました。
 この選挙を無効とする訴訟は「民衆訴訟」として行政事件訴訟法42・43条に規定されています。

 憲法14条を実現すべく、民衆訴訟でもって公職選挙法に挑んだ行訴。
「第68話 事情判決」で、事情判決をしてしまいました。
(あらすじ ここまで)

 ただ、選挙の無効を求める訴訟について定めた公職選挙法219条1項は、選挙関係の訴訟に「事情判決」について定めた行政事件訴訟法31条を準用することを認めていません。
 なのに、事情判決の法理なるものがあるとして、事情判決を認め、議員定数不均衡訴訟の無効判決を認めずに長いこときました。

 ヘタレです。マジにヘタレています。

 眠り続けていた憲法さんですが
 再三に渡り、なめられ続けていた憲法さんですが

 それでも
 憲法さんの救済を求め行政訴訟を起こす人達に揺さぶられ

 やるときはやる。
 ・・・しぶしぶと。
 
 憲法さんを起こすのは、他でもない、国民なのです。


 
「もしもオレがいなくなったら・・・」
(憲法 談)



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 イケメンで金髪なだけでスパイ扱いされて切ない憲法さんです。
 うちの憲法さんは、悪夢に魘されたり、ふて寝してみたりと
 ちょっとナーバスになっているときがあるようです。

 さて、今回の概念は一言で言うと立憲主義。
 立憲主意は、法学の最も根本的な概念であり、最も大事な概念ですけど
 意外に理解されていない概念ですね。

 立憲主義は、簡単に言うと
 憲法によって国家権力が制限されなければならないというものです。
 近代的立憲主義は、絶対君主の有する主権を制限し、個人の権利・自由を保護しようとする動きの中で、多くの闘争や革命を経て生まれてきました。

 権力というのは、国民を縛るものであり
 法律や行政の力によって、国民に義務を課すものです。
 権力は歴史の中においても、常に濫用され暴走し続けました。
 
 しかし、人を人として尊重し、生まれながらの権利を守るために
 その権利を憲法によって規定することにより、国家権力から人権を守るために憲法が設けられたワケです。

 憲法や権力、そして法律の力関係を示すとこんなとこ。

 国民 → 憲法 > 国家権力 > 法律・命令 → 国民

 ↑ ちょっと大雑把ですが
 国民の人権を規定しているから、憲法は最高法規であり
 憲法が国家権力に対して、憲法に反しないような法律や命令を作らせているという構図。
  


「私人同士の契約なら本来なら憲法さんが出てこなくてもいいんだけどね?」



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 まず、刑法がちょろっと言っている人身売買罪。
 平成17年改正なので、それほど新しくもないですが
 アメリカ合衆国国務省が発表する『Trafficking in Persons Report』で、日本の人身売買問題が非難されたことを受けて法改正されたと言われています。
 これに限らず、日本にも、まだまだ闇の部分があることを忘れちゃいけない。

 さて。
 憲法は、国民の基本的人権なぞを定めていますけど
 憲法というのは本来は、国民自身が国家権力を監督するためのツールみたいなものです。
 ですから、憲法が適用される場面は原則として「私人対国家」になります。
 つまり、国家権力が私人の人権制約をする場面で活躍します。

 逆に言うと憲法は、私人同士の契約の場面などには基本的には立ち入りません。

 ただ、「私人」相互において社会的格差が生じる場面もあり、私的自治で任せて良い場面ばかりとは限りません。
 そこで、私的自治が必ずしも相応しくない場面については、私人相互の関係においても憲法規定の適用が問題となります。
 でもって、民法の一般条項(90条)の解釈・適用の際に憲法規定を考慮するとする考え方が取られています。
 
 とはいえ
 合憲限定解釈のときにもちょっと書いたと思いますが、民法90条に限らず、法律は憲法に適合するように解釈されなければならないので、憲法規定は常に考慮されているのです。

 憲法が機能しないとなると、法秩序は極めて不安的極まりない。
 憲法はむしろ国民にとってのツールなので、あんまり寝かせておくと不利益を被るのは他でもない国民なんです。