かえる、カエル、蛙。
ある時はかわいがられ、ある時は縁起物となり、またある時は嫌われる不思議な生物である。

昨夜、かえるについて、こんなエピソードを思い出した・・・



 それは、以前オーストラリアを放浪していた時、あるとても小さな田舎町のキャラバンパークへ訪れたときの話である。
なぁーんにもない、あるのはまさに「大自然!」としか言うようのない所であり、カンガルーやらワラビーやらがそこらじゅうにうろついている。

 そして事件は、翌朝のトイレの中で起こった!!ドアを開けた時、便器の中からひょっこりのぞいている奴がいる!
一瞬自分の目を疑った!なんと、カエルがいるぢゃないか!!黄緑色で、日本のアマガエルが4~5倍程大きくなった感じで、またなんともまのびしたようなスッとぼけた顔をしたカエルがこちらを見ているぢゃないか!!!

 こいつぁ用をたすのも忘れるくらい・・・インパクト大だ・・・!!

 眠気も一気に吹っ飛んだ!・・・でも、ここからが問題である。「こいつをどうするか?」・・・・・

 便器の外にいるのであれば、軽く追っ払えるのだが、やつは便器の中にいる。便器の中なんて我々人間はかなり忌み嫌っているところであるが、こいつは悠々と水に浮かんでいる。他のトイレは使用中だったので、どうしてもこれを使わざるを得ない!

 色々と考えたあげく、「こんなところに潜むお前が悪いのだ。」と判断し、丁重に流すほかないだろうと心に決めた!そして「・・・bye」と心の中でこいつに別れを告げ、トイレのレバーをひねった。

 しかし、次の瞬間、またもや自分の目を疑わさせられざるを得ないこととなった!なんと、カエルは四つんばいになって、まさに激流ともいえる水の流れに顔をプルプル振動させて必死に耐えているではないか!!しかも、最後まで、その激流を耐えきったのである!!

 「フッ・・・やるじゃぁないか、カエル!!」

 こんな光景を目の当たりにされたら、もはやこいつにエールを送らざるを得ない!

 しかし、このとき、私も用をたさなければならないことを思い出した。いつまでも感慨にふけっているわけにもいかない!
 
 結局、トイレットペーパーを便器のカエルめがけて投入し、流してやった。
いなくなったのを見ると、少し罪悪感を感じたが・・・・

 しかし、その翌日、同じトイレに入ると、トボケヅラしたあのカエルがいるぢゃないか!!?そして、隣のトイレを見てみると、そこにもやつが・・・・・

 どうやら、フツーにすみかにしているらしい。

 昨日のドラマは何だったんだ!!??