そんなこんなで、イギリスが時代の主役に躍り出ようかというところ。

 

 

決定的なのは産業革命だと思うけど、それ以前から合理性という点で他より抜きん出ていたことが、イギリスが能動的に産業革命を起こせたことと無縁ではないように思う。

 

彼らの合理性が幾つかの技術革新(蒸気機関とか)によって充実した資本と、農村部の労働力を結び付けて、大帝国を築き上げる元になった…のかな。

 

 

 

 

スペインの無敵艦隊を破って以降、イギリスに主役の座が移っていくのだけど、その前のナポレオン期のフランスも忘れてはいけないかな。

 

これもまた時代の主役と言っていいくらいにド派手だったと感じている。軍事の天才という話題では必ず名前が挙がるくらい、ヨーロッパで猛威を振るった。

 

 

ナポレオン率いるフランス軍がどうして強かったのか?と言えば、「国民軍だったから」と理由に挙げられることが多い。実の所、どうして国民軍だと強いのか、ワタシにはよく分からない。

 

分からないんだけど、実際ナポレオンの軍は強かったし、日本で最初の国民軍と言えば「奇兵隊(諸隊)」になると思うけど、これもやたらと強かった。

 

両者に共通してるのは、時代の先駆けであるという自覚があったことと、国土(領土)を守らねばという意思が濃厚だったこと。

 

 

 

ただ、同じ国民軍でも明治初期の鎮台なんかは滅茶苦茶弱くて、"クソ鎮"呼ばわりされるレベルだったので、「国民軍だから強い」と単純に言えるわけではなさそう。奇兵隊とナポレオン軍は、共に「革命軍」が出発だったことが大きいのかな?

 

面白い事に、日本では市民革命が起こらなくて、起こらないままに近代化して、起こらないままに民主化した。他にこんな国があるのかしらんけど、ひどく珍しい部類だと思う。

 

そんな日本の明治維新で、長州藩に誕生した奇兵隊ら「諸隊」はどうも西洋市民革命の国民軍と同質の匂いがする。奇兵隊以外だと伊藤博文が士気を執った力士隊とか色々あるね。

 

 

とまれ、そんな猛威を振るったナポレオンも、ロシアの冬将軍の前に敗れ、以後は鳴かず飛ばず。かくして地力の差とでも言うのか、やはりと言うべきか、イギリスが世界を席巻する時代になる。