先日、日本学術会議のことを調べたことを書いた。
その後どうなってるかな?とニュースやツイッターをさらさらりと眺めてみた。
色々凄い展開になって、あれまぁと思ってるんだけども、一番気になったのは
デマ多過ぎィ!!!
どうしてこうなったのかと頭を抱えてしまう程にデマが溢れている。
ワタシは自分で調べて考えた結果でしか物事を判断しないので、常に政治的なナントカは無所属なんだけど(一々全ての出来事を調べられないといのも理由だ)、デマによって誤った情報が広まって、そのうえで議論をされるという状態は気持ち悪いのね。
目についたデマをちまちまと修正してみる。
■ケース1.会員になれば死ぬまで年金支給されるんだよ さん
「この(学術会議の)人たち、6年ここで働いたら、そのあと(日本)学士院ってところに行って、年間250万円年金もらえるんですよ、死ぬまで。」
ワタシはこれを見て3秒でデマだと判断した。理屈はとても簡単で、1期210名全員が年間250万の年金を受け取ると、年間5億円以上。学術会議は長い事存在しているから、受け取り人は何期分にもなる。つまり年間20億以上は予算措置されてないと不可能。
でも、そんな予算何処にもついてないよ?と思ったので。
これは日本学士院なる団体の事を勘違いしていたらしい。学士院とはノーベル賞受賞クラスの功績著しい科学者だけが入ることを許されたもの。そんだけ国家に利益や誇りをもたらした人なら、当然の待遇かと思う。
定員は150名で終身。つまり、学術会議のOBのほとんどは入れない。
■ケース2.学術会議は全然仕事してないんだよ さん
「政府に対する答申は2007年以降出されていない。学術会議としての活動が見えていない」
出どころはあろうことか国会議員だった(驚愕)。そのS議員は活動が見えないことを問題視したとのこと。
これはワタシは答えを知っていたので、見た瞬間にデマだと分かった。学術会議のこと調べた時にHP見たので。
学術会議の提言とはどんなものかと思って見てみたんだけど、「うへぇ、こりゃ全部見るのは無理だわ」と思ってそっ閉じしたくらいには多い。
3年に一度会員が変わるから3年を半期として考えて、半期に80件程度の提言を出してるんですね。
で、答申が2007年以降出てない事については、よく分からんかったので調べた。答えは「政府がそもそも諮問してないから」。
そりゃ諮問されないのに答申が出るわけない… 〇凹
ケース3.レジ袋有料化は学術会議のせい さん
これは分からなかったので調べた。といっても10分くらいで判明。
ざっと流れを書く。
始まりは2019年3月。「サイエンス20」(G20構成国による学術の国際会議)が、「海洋環境・生態系を護るためにプラスチックごみをどうにかしよう」と提言する。サイエンス20に学術会議の関係者も参加しているが、この提言はレジ袋に触れていない。
同年6月、原田前環境相がレジ袋有料化の方針を公表する。ここから大々的にレジ袋が云々されることになった。
同年12月、経済産業省が「容器包装リサイクル法」に関連する省令改正を行い、翌2020年7月からのレジ袋有料化が決定される。
2020年4月、学術会議が提言を発表。生分解性プラスチックの導入によって環境負荷を抑えよう等々を提言。レジ袋についても書かれているが、環境省がレジ袋無料配布を禁じる法令を制定したことを紹介しただけ。
要するに、学術会議はレジ袋の件にタッチしてない。答申もしていなければ、提言もしていない。
S20の提言が原田前環境相の方針決定に影響を及ぼしたことを思えば、それに参加していた学術会議もキッカケを作った一因とは言える。しかし、そもそも提言は海洋プラスチックごみをどうにかしようという話で、その解決策としてレジ袋を云々とは一言も書かれていない。
ただ、この件は学術会議側の自爆案件のようにも思えて、前会長?だかが、「レジ袋有料化は学術会議の提言がきっかけ」と言ったそうで。
きっかけになったのは確かだけど、レジ袋有料化を立案したのも決定したのも環境省。前会長とやらはレジ袋有料化を素晴らしい施策と思っているようで、ゆえに宣伝したかったんだろうなぁと。
とまれ自爆だろうが何だろうが、学術会議はレジ袋有料化の立案者でも決定者でも責任者でも推奨者でもない。というかそもそも触れていない。なので、事実でない事は広まらない方がいいと思うですよ。
全部のデマを書いてくのも面倒だから、こんくらいで。
みんなが正しい情報で有意義な議論が出来るといいなと思うけど、ワタシは誰かと議論なんて面倒なのでやらない。