イランとアメリカ。
まぁ、色々と考えるところはあるんだけど、あまり煽ったり何なりをするのもあれかと思ってるワタシが関心を持っているのが、ツイッターでたくさん見かけた「安倍総理は事前に殺害の事を知っていた」という意見。
結論から言うと、安倍総理は知らなかったと思ってるんだけども。
そう考える根拠はいくつかあって、
1.未だに(1/4 10:30現在)何の声明も発していない
事前に知っていたなら、声明文の作文くらいは出来ているはず。そうやってスピーディーな対応を見せることが政権の有利に繋がるんだけど、ここまで何の対応も無いというのは、未だに対応協議中であると考えるのが妥当。
追記)
11:20現在、安倍さんがゴルフに興じているという時事通信ソースの情報を見てひっくり返るワタシ。
この対応は国外向けには間違ってるとは限らない。どちらにも与さないというメッセージと受け取れない事もないし、他国から見ても、これまでのイラン、アメリカ両国との交友関係を考えれば、どちらに付くのも難しいというのは頷けるだろうから。
ただ、国内向けには大間違いであることは確かなので、正直何を考えているのか分からない。確かに「酒でも飲んでるしかねぇ」状況かもだけど、フリでいいから何かすべきだったと思う。
例えば、先日発表した総理の年頭所感。アレは役人が年末のうちに作文したものを読み上げてる(色々な各省庁の攻防があるんだけど)。予定に組み込まれているなら、年末年始だろうが何だろうが、作文は用意できる。
なんにせよ、ここまで対応が見えないというのは、政権にとってのデメリットにしかなっていないし、意図的に遅らせる意味が無いように思う。
2.トランプでさえ、殺害日時は直前になるまで分からない
ソレイマニ司令官の動線を事前に完璧に掴んで攻撃日時を特定することは不可能なはず。
ソレイマニ側もアメリカの諜報網を警戒して国外での行動は秘匿するだろうし、欺瞞情報の類だって流すはず。アメリカとしては、いくつかの見当を付けてはいるだろうけど、実際にソレイマニの姿を確認してからでなければ攻撃命令は下せない。誤射・誤爆なんてことになったら、世界中の非難を浴びてトランプ終了のお知らせになってしまうから。
この場合、「いずれ殺害は決行する」くらいの情報を安倍総理が受けていた可能性はあるけど、このタイミングでやる事は知らされていなかったと思う。情報漏洩の危険を考えても、下手にイランに近い安倍総理に伝えるメリットは薄い。
3.年末に閣議決定で自衛隊の派遣を決めた事
調査目的なので閣議決定でも良しという判断だったのだろうけど、こうも事態が急変してしまっては、安保法制でいう存立危機事態に該当する可能性が出てくる。
そうなると、自衛隊の派遣は国会の承認が必要になるので、閣議決定の取り消しと国会審議を行う必要があるし、この状況だと緊急事態ゆえの事後承認という線も通用しない。
事前に殺害の情報を貰っていたなら、世論の反発を招くことが分かり切っている閣議決定での派遣を決めるとは思えないが、実際は閣議決定がなされ、今後国会審議を巡って右往左往の展開になると思われ、事前に情報を入手していたにしてはあまりに手際が悪すぎる。
1/6追記 3.について、ワタシ間違ってるね。
日本に必要なのは原油の確保で、それを為すためには自衛隊の派遣が必要というのは確か。となると何らかの根拠法令に基づいて派遣を決めないとなんだけど、今回は防衛省設置法が根拠法令になってる。
ワタシは存立危機事態がどうと書いたけど、これをやってしまうとアメリカとの集団的自衛権発動になってしまうので、どこからどう見てもイランの敵に回ると宣言することにしかならない。これでは却って日本船舶は危険で、原油も運べなくなってしまう。
防衛省設置法による調査研究目的の派遣から、いざという時の海上警備行動発令って段取りは、日本船舶を守りつつ、日本が紛争に関わらないで済むギリギリの手段に思える。
というか、事前に紛争を抑えられない場合は、これしかないのでは?これで巻き込まれて、「じゃあ他に手段があったのか?」と言われても思い浮かばない。
日本にとって一番やってはいけないのが、日本船舶の安全放棄で、これをやってしまうと国民生活はズタボロになってしまう。
問題なのは、日本船舶に乗り組む船員はほとんど外国人なので、安全のための努力をしてくれない国の船に使命感をもって乗る人がいないという点。
つまり、船員がいないからタンカーを運航できませんという事態になってしまう。だから自衛隊を派遣するというのは、国民が今の生活を維持したい場合、どうやっても避けられない。
で、根拠法令の方も安保法制を使ってイランに敵対するわけにもいかないから、既存の法律でやり繰りするしかない。なるほど、、、結構しっかり考えられてる。そして、ワタシはやっぱりアホだな。てゆーか、一人で勝手に問答して気づいてアホだなと思い知らされるとか非生産的にも程がある…
ちなみに、安倍さんが事前に知らなかったというのは正しかったらしい。国防総省でさえ、トランプがその選択をしたことに驚いたと現地の報道があった模様。
追記おわり
という事をつらつら考えていたんだけど、まぁ賢い人がもっとまともな事書いてるはずなんで、そっちを探してくりゃれ。
実のところ、安倍さんがいきなり政権を放り投げる可能性も考えている。
近い将来ハッキリすると思うけど、山本太郎さんはこの派遣に反対はしないはず。
1.反対してしまうと、彼の掲げる「暮らしの底上げ」にどうしたって逆行してしまうこと。
2.同様に「政府は国民を守るもの」と以前から言っているので、外航船船員にも日本人がいる以上、山本さんにとっても何らかの手段で彼らを守る事は必須であること
支持者は派遣反対を叫んでいるし、山本さんにそれを望んでるみたいんだけど、意思を表明するのは簡単なことではないように思う。かといって、この重大問題に対して何らの発言も意思表示もしないままというのは、今後の彼の発言力に影響してしまい、将来的に選挙で対抗馬にそこを突かれた時に「何もしなかった」というのではマズイ。
それらをひっくるめて、どういう対応をするんだろうと気になっている。 1/10白文字にて予想