サーバ統合という大きな変革に対しても、無難にのんびりとやり過ごせたギルドとマスターの話。

 

 

 

サーバ統合の辺りから、公式イベントが頻繁に行われるようになった気がする。アップデートの歴史をまとめたことはないので、印象でしかないが。

 

ディメンションダイバー(DD)なるイベントは結構楽しかった。超強いアラームやらバースリーやらがいて、その攻略法をメンバー達と考えていくのは楽しかったし、やたらと強い悪魔種族がてんこ盛りで、「こんなんどうやって攻略するんだよwww」という感じのマップを攻略していくのは楽しかった。

 

高難度の壁があって、それをどう突破するかを仲間と考えていくのがワタシは好きらしい。というか、モブの画像を見てその名前がスラスラと出てくることに自分で驚いてる。

 

 

 

ギルド運営も順調としか言いようのないものだった。ギルド狩り時に人数が多過ぎて2PTに分けないといけない事もあり、Lif鯖の規模を考えれば出来過ぎのように思える。

 

 

PT編成をする際に、ワタシがとても気を使っていたことがあるのだけど、それは「メンバーそれぞれが自分の役割を持つこと」である。PTとは分業であり、前衛、中衛(支援)、後衛の役割分担があって連携してこそ面白いと思っている。

 

例えば前衛が圧倒的な火力をもって敵を蹴散らしていくようだと、その他のメンバーはただ後をついていくだけになってしまう。そういう狩りは全く楽しくないので、どのメンバーにも仕事がきちんとあるように編成することを重視していた。

 

そのために1PTを12人で編成しても、現地では2チームに分かれて行動するなどしていたし、各自が出したいキャラで編成した結果、別の狩場に2チーム3チームと分かれて出かけることもあった。

 

編成が難しくなりそうではあるけど、そこはZさんを始めとして頼れる人々が大勢いたので、編成に要する時間は準備を含めても5分程度というところだった。

 

 

 

 

 

そんな順風満帆なギルド運営をしていた頃、あのイベントが実装された。サマスペ2012である。(検索してイベント名調べた)

 

これは心底酷いイベントだった。簡単に言えば、とあるマップをひたすら周回(これをマラソンと言うらしい)することで、報酬をゲットして経験値を稼ぐというものだ。

 

ワタシの遊びに対する志向の対極に存在するようなイベントだった。ひたすら一人で延々とマップを駆け回って経験値を稼ぐのだが、何が楽しいのかは微塵も分からなかった。それでもイベント会場では、猫も杓子もひたすらマラソンを繰り返していた。

 

その光景が、経験値という餌に釣られて奴隷のようにマラソンを繰り返すようにしかワタシには見えなかったのだ。それが一ヶ月も続くという。

 

 

 

鯖民の多くがイベント会場でマラソンを繰り返してる姿を見ながら、ワタシの中で何かが折れたのが分かった。卒業のタイミングが来たというべきか。

 

 

唐突だけど、一挙に冷めたのである。もちろん伏線らしきものはあった。外の世界がワタシの価値観とは全く相容れない効率主義に染まっていた事や、公式の手で最少人数鯖になった事による先々への閉塞感やら。

 

それでもギルドの仲間達と遊ぶのは楽しかったので、今振り返っても不思議なんだけど、あの時あのイベント会場で確かに何かがポキリと折れたのである。

 

 

そこからは早かった。ワタシは自分でも驚くほどあっさりとギルドを畳んだのである。メンバー達にはリアル事情が原因と説明をしたが、それは半分本当で半分は体のいい言い訳である。リアル事情なんてのは、いつだって付き纏うものなのだ。

 

 

こうしてワタシのROライフは急転直下終わりを告げた。驚くほどあっさりとアカウントも消した。全ては電子の藻屑になったのである。

 

 

 

 

この稿を書くにあたって、幾らでも脚色して美しい物語を書けたのかもしれんけど、今更過去を取り繕っても仕方ないので、事実だけを書く事にした。その結果、過疎ギルドに悩んだりといった情けない描写もあったが、今はそれでいいと思ってる。

 

結局のところ、中途はどうあれ最後の最後でギルドを放り投げたわけで、マスターとして失格なのがワタシだ。