なんの因果か、復帰早々にまたしてもギルドマスターになってしまった人の回顧録。

 

 

 

ワタシは諦めた。普通のギルメンとして気ままにノンビリ遊ぶことを。何をどうやっても、ROをやる限りギルドマスターという位置に吸い寄せられるんじゃないか、、、と思うようになったのだ。

 

 

 

 

そんなわけで、またもギルドマスターとして活動することになったが、RO界は依然としてR化の余波で揺れに揺れていたし、プレイ人口も減少の一途を辿っていた。

 

ラグナロクの和訳は「神々の黄昏」とするのが一般的だけど、R化の負の影響は、鯖という小さな世界に文字通りに黄昏をもたらすようにも思えた。

 

 

 

鯖内の極端なまでの効率主義とワタシのプレイスタイルは、致命的に合っていないことにも気づいていた。ギルドから一歩外へ出れば、やれ温もりだの棚固定狩りだのスカラバなんちゃらがどうだのという効率至上主義に溢れていたのである。

 

 

ワタシが普通のギルメンとして遊びたいと思ったのは、こういう鯖事情の中にあっては、ギルドを上手く運営できる自信が無かったからでもある。RO自体の潮流がそうなっているのに、それとは全く別の主義でもって歩くというのは、それだけで難題なのだ。

 

それでも、実際にギルドを立ち上げて数日のうちに、かなりの人々がその知らせを受けてワタシのギルドの門を叩いてくれた事は嬉しかった。それは、まだワタシのスタイルに需要があることの証明でもあるし、以前のギルドがそれなりに好評だった証でもあるから。

 

メンバー募集もやったけど、一人一人を大切にしたかったので、次から次へと加入させることはしなかった。そんなに慌てて募集しなくてもギルドはいつも賑やかだったからという事情もある。当時の鯖事情にあって、ただのPTギルドがゴールデンタイムに10人以上接続してるというのは、かなりのものだった・・・らしい。

 

メンバーを次から次へと増やすというのは、一人を疎かにすることと得てして同義になりやすい。たぶん、そういう形で続々と加入したメンバーは、自分の存在が軽いものではないかと不安に思ったりするんじゃなかろうかと思ったのだ。

 

 

 

RO内の潮流と全く別の場所で、好き勝手に遊ぶことをワタシは考えていた。元々、子供の頃から遊びを考えるのは得意だったし、実のところ、それが楽しかった。

 

ROというコンテンツの優秀なところは、コチラが色々な遊びを考案すれば、それを実現できるだけの様々な要素が用意されていることである。これは本当に素晴らしい点だ。

 

 

 

イベントと称して色々な遊びをやった。

 

ノービスの「死んだふり」というスキルを使って、高難度ダンジョンの奥地を目指すサバイバルゲームや、「すぱのび部」を設立し、全員がスーパーノービスでPTを組んで様々なミッションをこなすなんて遊びもした。十数人のタイプの違うスパノビが一般狩り場でボコスカやる様は中々に愉快である。

 

よくある枝祭りを、ただ枝を折るだけじゃなく色々と工夫をして対戦形式のゲームに仕立てたり、ルティエのおもちゃ工場で解毒スキルを使った鬼ごっこなんかもやった。

 

PvPエリアでマスターであるワタシを鬼に仕立て、2チーム対抗で先にワタシを狩った方の勝ちという空恐ろしいゲームもやった。

 

コチラがアイデアを出せばROというゲームは幾らでも対応してくれる。率直に言って凄い事だし、こういう遊びを電車の中とかで練っていくのは楽しかった。

 

Zさんが考案してくれたクイズ大会で、景品としてアバター装備が大量に入手できるというのもあった。

 

 

賞品が無駄に豪華なのもあってか、毎回参加者は大勢いた。

結局のところ、RO自体がどういう方向を目指すにせよ、実際に遊ぶ自分たちがやりたいようにやれば、それは実現できちゃうのである。運営の目指すレールに唯々諾々と乗ってやる必要は無いのだ。

 

 

 

それでも平穏無事というわけにはいかず、RO界は次なる衝撃を用意してワタシを待ち受けていた。

 

 

サーバ統合である。