リアル事情が原因でROを休止して、暫く経った後に再びログインした某元ギルマスの話。
半年以上も経過したとあって、色々な事が変わってるだろうなーと思いつつ、再びログインしたワタシは心に決めてる事があった。
「今度はマスターなんかやらずに"気楽にお気楽に"普通のギルメンとして遊ぶ」
相応の事情があったにしろ、ギルメンとしてのんびり遊ぶ時間を体験したかったという後悔もあったわけで。かつてのギルドはきちんと清算を終えており、誰に憚ることもなく自由を謳歌してくれようと。
その決意と共に、メンバー募集をしていた新設ギルドに飛び込んでみた。鬼のような経験値テーブルも変更されていないようで、レベル帯も問題にならない。(それはそれで鬼畜ゲームなわけだが)
新しく入ったギルドのたまり場はフェイヨンだった。なかなかノンビリしてて良い雰囲気の町(村?)である。
ギルド加入数日後のこと。元ワタシのギルドのメンバーのうち2人と偶然に再会した。B君とIさんである。ワタシは友録が面倒で全くしない性質なので、再会するとすれば、偶然によるしかない。
復帰できましたと挨拶を交わし色々と話を聞くに、Zさんが作った受け皿用のギルドは連絡用に用いられてるらしい。ギルド掛け持ちしてる人も居れば、野良で遊んでる人もいるそうな。
ワタシも新しくギルドに入れてもらったと話したところ、B君とIさんも一緒に来ることになった。思わぬメンバー増員である。あまり多くの元メンバーが来るようだとギルド乗っ取りのようでマズイわけだが、二人だけなら何の問題も無かった。
そして、ギルド加入後1週間が経った頃である。マスターに加入当日の後一度も会っていない事に気づいた。
その後、待てども待てどもマスターがログインする気配は無かった。リアルで繋がりがあるらしいギルメンの話によると、旦那キャラ(RO内結婚のこと)との狩りに夢中で別キャラばかり動かしてるとのこと。平たく言えばギルド運営する気が失せたらしい。新設ギルドあるある。
こりゃダメだと思ったワタシはB君とIさんと相談して脱退することにした。この時点でどうもワタシの野望も雲行きが怪しいとは思ったが。
そのギルドで仲良くなったMさんを交えて4人で、これからどうするかを相談した。場所は何故かアルデバランだった。
しかし、相談するも何も無いわなと思った。プレッシャーをひしひしと感じるのである。そのプレッシャーを言語化すると「早よギルド作れ」である。
ワタシは暫く悩んだ。今度は普通のギルメンとしてのんびり遊ぶという野望を抱いてから、まだ2週間も経っていないのだ。
挙句、入れてもらったギルドは早々にマスターによる放置プレイで瓦解してしまい、ワタシは未だにギルメンとして遊ぶことが出来ていないのである。初心者の頃に実現できていた期間もあったけど、アレは知らない事が多過ぎた時期なのでノーカンである。
早々にワタシの野望はへし折れる。ずっと野良で遊んでたというB君とIさんをこのまま放置することが、どうにもできそうもない。
B君かIさんかどちらか忘れたがエンぺリウムを倉庫から持ってきたので、そこで再びギルドを立ち上げることになった。さらばワタシのお気楽ギルメン生活。
ところでB「君」やI「さん」などと称を付けているが、中の人が男性なのか女性なのかをワタシは知らない。彼らに限らず、ほとんどすべての人の中の性別を知らなかったし、興味も無かった。
ネカマやネナベプレイをしたい人にすれば、なんとも張り合いの無い相手だ。
そんな具合に、復帰早々にワタシの野望は打ち砕かれ、またしてもギルドマスターとして活動していくことになった。ギルドの方針は当然に以前と同じである。
ワタシの復帰とギルド立ち上げの報は鯖を駆け巡る・・・わけもなく、鯖住民の9割9分が知らないうちに、裏道をひっそりと泥棒が忍び足で家屋に浸入するような慎ましさで広がっていった。
数日のうちに、Zさんを始め元メンバーが何人かやってきた。
Zさんは律義にも以前のギルド資産をすべてそのまま保有しており、その全てをワタシに渡すと言ってきた。まったくもって律義にも程があるし、ワタシとしては色々と苦労をかけたであろうZさんが全額使いこんでも構わねーぜくらいに思ってたのだが。
もっとも、そういう事をしそうもない人だから信頼していたわけでもある。こうなった以上はありがたく受け取って、イベント等をゴージャスにせねばなるまい。
そういう次第で活動開始となるわけだが、まず配慮せねばならないのが、元メンバー達とワタシが復帰して最初に仲良くなったMさんの関係である。
当たり前だが、勝手知ったる仲間達とMさんとでは共有してきたものが異なる。ここを悪くすると、身内ノリに付いていけないという疎外感から脱退ということにもなりかねない。
人数のそこそこいるギルドで、身内ノリに付いていけないというのは、想像するだけで寂しいことである。というわけで、特に注意を払っていた。
それが功を奏したのか、あるいは実際に一緒に遊んでるうちに自然と溶け込んだのか、ともかく上手くいった。ワタシは安堵したけど、たぶん誰もワタシがそこに気を回していたとは気づいていない。