たまにROの事を思い出すことがある。

ラグナロクオンラインの事だ。

 

 

 

ワタシが唯一遊んだネトゲである。対人とかオンライン対戦とかそういうのに苦手意識を持つワタシがこのゲームに手を出した事に大した理由は無い。

 

一緒に同人活動していたYさんに誘われたからである。そんだけである。

 

 

今ROの世界がどうなってるのかは知らんけど、ワタシが初めてログインしようとした頃はverdandiという鯖(この表記も懐かしい)があった。verdandiはワールド1の中で一番上に表示されていた。

 

初めてのネトゲということもあり、分からない事ばかりだったワタシは「とりあえず最初のワールドからクリアしていかないとだな!」と思いverdandi鯖を選択した。なんという勘違い。

 

Verdandiで始めて数日が立った頃に判明した事実だが、Yさんは別の鯖だった。要するにのっけから間違えた。

 

ワタシはそういう自分の失敗をこよなく愛する愚人なので、まぁいいやと思い、そのままVerdandiで遊ぶことにした。

 

 

 

RPGで最も好みの職業が魔法使いだった私は、迷うことなくマジシャンを選択していた。これはダイの大冒険のポップの影響である。彼はカッコよすぎた。師匠のマトリフさんもカッコよすぎた。

 

 

 

プロンテラ(懐かしい!)の街を初めて訪れた時は、その露店の数や人の数に驚いた。ってゆーか露店多すぎて自分が見えない。

 

そんなこんなで狩りやら何やらソロプレイで暫く過ごしていたが、思い立ってギルドに入ることにした。アカデミーにギルド募集がたくさん立っていたので、その中で初心者歓迎というヤツを選んで飛び込んでみたのだ。こういう所は無鉄砲である。

 

ギルドのマスター(Tさんとしよう)は、やたらとカッコいい雰囲気の名前の人だった。職業はハイプリーストだった。この出会いが後のRO暮らしに大きな影響を与えることになる。

 

そのギルドには他にも初心者さんが2人いた。ワタシを含めて3人であり心強い。初めてPT狩りを体験し(今思えば公平PTが組めるはずのないレベル差なので、マスターさん達には経験値が入っていなかったように思うが、当時はそんな設定は知りもしなかった)、意外とネトゲ面白いやんと思いつつ、適当な日々を過ごしていた。

 

マスターのTさんは上手かった。初心者のワタシの評ではアテにならんが、経験者の人々も上手いと評していたので、本当に上手かったのだと思う。

 

この頃からハイプリーストもいいな~と思うようになっていた。ともあれマジシャンのレベルも上がり、めでたくウィザードに転職した。コツコツと貯めた金で「とんがり帽子(緑)」を露店で購入した。嬉しかった。初心者が味わう楽しさの大部分は味わえたのではないかと思う。

 

 

が、程なくしてワタシはギルドを脱退する。結局在籍していたのは1か月くらいか。

 

特に深刻な何かがあったわけでもない。当時も今もその感じ方に変わりはない。

 

 

事の顛末はこうだ。ギルメン(この表現も懐かしい)の中に、ハイウィザードの上手い人がいた。仮にKさんとしよう。その人は別キャラでハイプリーストも持っていた。

 

そう言えば、この事で初めて「中の人は同じでも別キャラ」という事があると知ったような。それくらいネトゲに疎かったわけだ。

 

 

ワタシは何かのクエストで、トール火山という当時のROで屈指の難易度を誇るダンジョンに行くことになった。内容はもう覚えていない。詳しい人曰く、ハエの羽を使いまくって運ゲーで突入すればOKとのことだった(それが事実だというのは後に理解する)。

 

 

そのクエストに行ってくるという話を溜まり場(これも懐かしい言葉)でしていたら、Kさんが手伝うと言ってくれたので、ありがたくお願いすることにした。

 

Kさんはハイプリになってポタ(これも!)を出してくれたので、トール火山の入り口まで一瞬で着いた。ありがたいことだ。

 

 

問題はそのあとで起こる。Kさんの勧めでトール火山1Fをペアプレイで歩いて行くことになった。ワタシはその意味を何一つ理解していなかったのだ。

 

トール火山のWIZプリ(ウィザード&プリーストの略)ペアというのは、相応の実力者同士でないと簡単に死ぬような難易度であり、当時のROでは最高クラスの難度の一つだった。間違っても初心者WIZがやるようなものではない・・・なんてことは後で知った。

 

案の定、立ち回りも分からず、必要な魔法の習得さえ終えていないワタシはバタバタ死んだ。死ぬたびにリザレクションで起こしてもらうのだが、そうこうする内にKさんのキャラも死ぬ。そりゃ唯一の火力役が死んでしまえば支援職であるプリーストに成すすべは無いので。

 

ワタシはまだデスペナルティ(キャラが死ぬと経験値が1%失われる)の本当の厳しさを知らなかった。が、Kさんは転生二次職の中でもかなりの高レベルだったので、1%の大きさはワタシの数万倍にもなるだろうか。

 

おそらくそのことがKさんの怒りを買ったのだろう。随分と手ひどく罵倒された。結局、クエストの目的地には到達できずに帰ることになった。(その後、アイテム使ってワープを繰り返す運ゲーにより突破した)

 

 

 

 

大変残念なことに、ワタシは事情も分からず振り回された立場にありながらKさんに悪いことをしたと思うような殊勝な人間ではない。

 

なんでそんな風に言われなきゃならんのだと、ただひたすらに残念だった。ちなみに怒りも湧いていなかった。ただただ残念だなぁと思っていたことを今でも思い出すし、人として何か重大な欠陥があるような気がしないでもない。

 

 

結局、そのことが原因でギルドの主要メンバーでもあるKさんと顔を合わせるのが面倒になったのでギルドを抜けることにした。立つ鳥が後を濁す事もあるまいと、マスター以外にはこの事は話さなかった。さすがにマスターには何の説明もしないわけにはいかなかったので話した。

 

 

 

初めてのギルドとほろ苦い失敗の話だ。