ペルソナ5のトリックについて色々考えてみたのでネタバレ注意!!
色々な反応をネットで見ました。
ジョーカーの脱出トリックについては、色々とご都合主義だぞという意見がとても多く見られたのだけど、特にそんなことはないよなーと思ってるワタシなりに考えてみた。
1.明智がスマホを仕事とプライベートで2台持ちじゃないのはおかしい?
明智が2台を使い分けていたら双葉の仕掛けは上手くいかずトリックは使えなかったという論旨の模様。また、明智が仕事用とプライベートで分けていないのはおかしいという点も含む。
まず、明智が警察とやり取りをするスマホを真は至近距離で見ている。文化祭の講演の場で。そして双葉は明智のスマホに仕込む際にそのスマホが"新しいヤツ、欲しかったヤツ"という旨の事を言っている。ということは、双葉か誰かが明智の使ってる機種を確認したということ。
もし、明智が何年も前から同じものを使っていた場合、双葉の発言が事実に基づかないものになってしまい、トリックを施す前にバレる可能性が出てくる。この事から明智のスマホ事情について怪盗団がきちんと調べていたことが分かる。
双葉が仕掛ける際に、"確認済のスマホ"と違っていたら計画は発動されず別の手を考えることになったはず。或いは仕掛けた後で警察関係との連絡が全く確認できず、実は私用スマホである疑いが濃くなれば、それもまた怪盗団の計画はストップされる。私用スマホでは計画に必要な情報がそもそも入手できないので、計画も何もなくなってしまうから。
つまり、明智のスマホを乗っ取って20日程度経過観察した結果、実際に獅堂一派の計画のあらましを掴み、事件関係用のスマホであると判断できたからこそ計画は実行に移された。
「乗っ取りを仕掛けたスマホは警察側とやり取りをしているもの」と確認していたので、明智の所有が2台だろうが1台だろうが関係はなく、批判自体が成り立っていないように思う。20日程度の確認期間があった事で、スマホの取り違えというか仕掛けミスの可能性は消滅している。
仮に確認したスマホが私用で必要な情報が入手できなかった場合、新たな計画が必要になるけど、それは別の世界線の物語。
明智が2台を使い分けていないのはおかしいという点は、彼が長いこと天涯孤独であり、経済的な余裕が無かったからかもしれない。
探偵として事件を解決していると言っても、彼は探偵事務所を開いてるわけでもなく、好きで警察の捜査に協力しているだけなので、そこから報酬を得ることは無く、せいぜい感謝状程度のもの。何かで時間を拘束されれば交通費と日当くらいは出るだろうが。
怪盗事件が盛り上がりを見せた6月以降なら、テレビ出演などでギャラも期待できるけど、そうなる前の苦学生状態はかなりのものだろう。だからこそ獅堂に対して恨みを募らせたように思う。仮に人並みの暮らしをしていたなら、獅堂への恨みはそこまで育たない。
まぁ、前段で述べたように明智のスマホが1台でも2台でも怪盗団は「仕掛けを施したスマホは事件関係用」との確証と情報を得ない限り、この計画を発動できないので、明智に落ち度があったとしても、トリックの計画自体に影響はあれど発動以降の成否には関係がない。
経過観察の結果、私用としか思えないスマホだった場合にどういう計画を練り直すかは興味ある。
もっとも、冴のPCからデータを引っこ抜いており、明智の捜査関係の連絡先も入手しており、遠回りにはなるものの同じように仕掛けることは可能と思われるので、やっぱりトリックの成否への影響は限定的と思う。
8/14追記
獅堂がスマホなりの援助をすればいいかとも思うけど、明智はプライドが高いうえに母親絡みの経緯もあって、獅堂からの施しは受けないように思う。
論功行賞の時も何も希望しなかったし、その辺りからも明智の孤高・誇り・恨み・青さといった色々な要素が見えてて、らしいなと思う。それも若さだし、似たような経験のあるワタシは同じように突っぱねたことがあるので気持ちはよく分かる。受けた方が合理的と分かってても無理なのよ。
8/18追記
事前に明智の機種を調べなくても、そっち系に強い双葉なら明智がスマホを出した時に見れば分かるのでは?との疑問。
それは確かに可能。しかし、物理的に可能であっても、ごく単純な心理面からそれが不可能になることがある。
この場合だと、双葉は人との会話が不得意であり、シドウパレスでも明らかなようにアドリブのできるキャラではない。そんな双葉がジョーカー以下怪盗団全員の命が懸かった計画を遂行するにあたって、ぶっつけ本番でやろうとするだろうか?心理的にそれは無茶が過ぎるので、どういう理由・セリフでスマホに触れるかを事前に検討していたと考るべき。
10/25の文化祭、ルブランでのやり取り、それらの場で明智のスマホを確認することは十分に可能であり、そういう機会に恵まれていた以上は、事前に調べてリスクを抑えようとするのが当然に思う。
2.主人公のスマホが尋問室に在るのはご都合主義?
これは前にも書いた気がするけど、そのために双葉が強力なロックを仕掛けたので、怪盗団の計画どおりかなと。
冴がジョーカーのスマホを手にしながら、「ロックが解除できないので、君が解除してくれる?」と発言してることから、取り押さえられた時点でスマホは押収されている事が分かる。
ロック解除できてれば知らず、解除できない以上は取り調べの場で解除するよう求めるのは自然だと思う。普通に考えて証拠が詰まってると判断されるべきものだから。
むしろ、証拠が詰まってる蓋然性の高いスマホが警察の手にあって、そのロックを警察が全然解除できなくて、それでも持ち主である犯人にロックを解除させようとしないとしたら、そっちの方がよほどご都合主義のような。
3.認知上の杏や春のフィアンセは直ぐに消滅したのに、ニイジマパレスで主人公の死体がすぐに消えないのはおかしい?
結論から言うと、すぐに消えるほうがおかしい。パレスは主の認知によって支えられてる異世界なので、主が認知できるものなら存在し得る。
鴨志田にとって杏は欲望の対象であり、それがさっくり殺されて死体になった姿というのは、現実の鴨志田自身が正確に認知できない。想像さえしたくないものだから、認知世界に存在できずああなる。
奥村社長の件も同様で、ブラック企業の社長だからといって、変死体を正確に認知できるような日々を過ごしてはいない。よって想像の埒外或いは目をそむけたくなるものなので、認知世界に存在できずああなる。
新島冴は彼らとは全く違う。彼女は刑事事件を扱う検事であり、変死体など見慣れてしまっている。でなければ仕事にならない。主の冴が正確に変死体を認知できる人間なのだから、変死体がパレスに残ってるのは当然のこと。ジョーカーの死体が消えるとすれば、現実の冴が「ジョーカーはまだ死んでいない」と思った時。
金城の場合も考えてみる。実は彼のパレス内でも認知上の人間が死んだ描写がある。ATMとして認知された存在が壊れて停止したアレだ。
金城に限らず、普通の人間にとって壊れたATMというのは十分に想像できるので、あれらは消えない。オクムラパレスのロボットも同様。
とりあえず、目についたのはこれくらい。言われるほどに無理やりな展開は無いと思う。