怖い怖い夢を見たのです。


自分は高校生でした。

何事もなく、ごく普通のありふれた3年間を過ごして卒業しました。
新しい春、新しい年度が始まります。


また、自分は高校生になりました。

けれど、3年間の記憶があります。どういうことなんでしょう。
しかし、その記憶とは全然違う3年間を過ごして卒業しました。
新しい春、新しい年度が始まります。


また、自分は高校生になりました。

どうやら、自分以外の人間の時間が巻き戻っているようだと気づき始めました。
街の様子は、明らかに変化している。新しいお店が出来ていたり。

あれも大変だこれも大変だと言いつつ、3年間を過ごして卒業しました。



また、自分は高校生になりました。

既に自分は24歳の計算です。それでも高校生活は始まりました。
明らかに15歳でない自分を見ても、誰も疑問に思わないようです。
もしやと思って探してみると、卒業証書はちゃんと家にありました。

終わってみればごく平凡な3年間を過ごして卒業しました。




何度繰り返したでしょう。街の様子もだいぶ変わりました。

周囲の人間は、いつまでたっても歳を取りませんが、自分の身体だけは、やり直しの度に3年分ずつ歳を取っていきます。


段々、体育の授業も辛くなってきました。学業の方は、流石に何度もやっているので、成績は良かったのですが。

何より悲しかったのは、やり直しの度に、みんなの記憶もリセットされてしまうことでした。
コチラは覚えているのに、向うは何も覚えていません。


何度目、いや何十度目かの卒業式のあと、帰宅中に"その3年間"の親友は言いました。

「じゃあ、またな」


私も答えました。

「ああ、またな」


この短い言葉に含まれた悲しさを、世界で自分以外に理解してくれる人はいません。
次に出会うとき、君は何も覚えていない。


「またな」

と言いつつも、もう二度と"君"には会えない。
同じ顔の誰かには会うだろうけど。


「またな」

この言葉の重さを思うと、



あまりの悲しさに、

そこで飛び起きました。泣いていました。




という感じでした。忘れないうちに~と思い、書いてみました。
夢ってのは、油断すると簡単に忘れちゃうから大変ですね。


それにしても怖い夢だった・・・