残りは、千雨といいんちょのみ。

故あって、いいんちょから先にいきます。



29番 雪広あやかの場合


これも最終回から触れてみるか。

「ネギの斜め後ろにいれるだけで幸せ」


ふむ・・・もはや「ら抜き言葉」は出版業界でも常識になりつつあるのね。
どうしても「いられるだけで」に修正したくなるんだよな、、これが。


じゃなくて、


"後ろにいれるだけで幸せ"、というのが「(想いは遂げられなかったが)後ろに~」なのか。


いいんちょの場合、他のクラスメイトと違って結婚に対するリスクが世界規模になるので、本人の性格からいって、仮に結婚出来るとしてもしない可能性があるんですよね。


男を狂わすのも女であれば、道を誤らすのも女であることが多い、というのはままあること。いいんちょほど頭の切れる人がこの心配を全く考えないというのはあり得ない。


結婚生活が最後まで円満であれば問題はないのだけど、もし何かあったとしたら。雪広コンツェルンは最初期からプロジェクト・ブルー・マーズにパートナーとして参加しており、プロジェクトが進むにつれてその規模・利権を拡大し、日本の国益をも代表する位置に付くはずです。
いいんちょ自身にその野心が無くとも、雪広コンツェルンはそういうわけにはいかないので。


ネギの信頼を得ているいいんちょの存在というのは、もはやクラスメイトとか、恋愛とか、そういう枠組みを遥かに逸脱してしまうんですよね。



ぶっちゃけると、もし離婚・不和・スキャンダラスな出来事があった場合に、プロジェクト自体が受けるダメージが巨大なので、それを可能性として予測できるであろう雪広あやかが、ネギとの結婚に踏み切るのはハードルが高い。


政略的には結婚することで、スプリングフィールド家と雪広コンツェルンの結びつき・信頼が強まるとも考えられますが、政略結婚とは、もともと大した結びつきを持たない者同士・或いはより一層の結びつきを求める者同士の間でなされます。


"しかし、ネギといいんちょは、既にそんな政略を必要としない程に信頼で結ばれているのです。"



その結果が「斜め後ろにいれるだけで幸せ」なのかもしれない。


やっぱ不幸体質だな、、、いいんちょ(涙
3-Aの中でもとびっきりの「いいひと」だしね。


たった1行の描写から随分とでかい話になってしまいました。。。



逆説的ですが、いいんちょはネギとの結婚には踏み切れない。だから、考察当初の仮定に沿うと、いいんちょはネギの好きな人ではない。という結果に。




だが、この解釈だけでは片手落ちというもの。


他には「(今は)斜め後ろにいれるだけで~」ということもあり得る。
いいんちょのネギくんに対する偏愛ぶりが衰えを見せずに、あらゆるリスクを上回った場合、コチラも十分に成立する。


この場合、もはや障害はネギ→いいんちょが成立するかどうかだけ。
けど、これを推す描写って無いんだよなぁ…




もう少し傍証を埋めてみる。


130年後の未来で、いいんちょの子孫が「わたしの ひいひいひいおばあちゃんの とても大切な人だったって」とネギの事を指して言います。


「ひいひいひいおじいちゃん」と言わなかったことから、いいんちょの子孫とネギは血縁でないと考えるのが自然かなと。アスナが戻らなかった未来では、どうやら除外確定のようです。


アスナが戻ってきた場合に、"アスナがいる影響で、ネギがいいんちょと結婚する"というのは考えにくいかなと。バタフライ効果ってのもあるんで、全否定はできないのですが…



また、アスナとネギの喧嘩を迷うことなく仲直りさせようとした時、「恋愛で損をするタイプ」という評ももらってますし。一番最初の結婚リスク説に合致してくるなーと。



こう考えていくと、色々な要素はいいんちょに不利を示してますね。



ワタシ、いいんちょのような清廉且つアホなキャラクターは好きなんですけどね。
パクティオー逆流の時は心底笑わせていただきました。ありがとう、いいんちょ。




いよいよラスト、千雨。