「このミステリーがすごい!」大賞。
で受賞に至らなかったものの、編集部推薦として出版されたそうな。

「珈琲店タレーランの事件簿」
http://tkj.jp/book/?cd=72007201


知的ヒロインと平凡な男性という組み合わせ。個人的にはタレーランの爺さんが気にいってる。爺さんかわいい、マジ萌え。
ビブリア~に通じる流行パターンではありますが。面白けりゃ路線被ってても良いと思うです。


主役のひとり、切間美星(きりまみほし)の仕事はバリスタ。コーヒーを淹れる仕事をする人の事だそうで。えへへ、知らんかったww。てっきり弓系の武器かと思ってたよ!
カクテルにおけるバーテン、ワインにおけるソムリエみたいな位置づけらしい。

コーヒー豆を挽くと調子よく謎解きができるという。なんとなく一休さんの"ぽくぽくぽくちーん"を彷彿とさせる、と書いたものの一休さんシラナイ。そんなアレ。

ある1点を除いては非常に読みやすい、普段本を読み慣れてない方でも苦労することなく読めそうな作品です。連作短編のような構成なのでトリックも豊富に仕込まれてる。
さすが、将来性あると見込まれて出版に至った作品であると思ったです。

特に会話が秀逸ですね。ウィットと小洒落に満ちていて楽しい。
きっと、くすりと笑っちゃうよ。


ひとつ引っかかるのが、叙述トリックを多用する向きがあるので、いちいち確認しないと主語術語の関係が混乱してくるのがマズかったなと。せっかく軽快な文章なのだから、さっと流していい場面は素直に書いた方が良かったのでは。
まー、読みようによっては、最後の○○を暗示した伏線であるとも言えるのですが、ネタバレになるので、これ以上は書けねぇ。



人が死なないミステリーが好きなワタシには丁度よかった。本格ミステリを読みたい人にはちょと物足りないかもね。
人が無残に殺されていく作品は読んでて苦しいので、近頃はもっぱら日常の謎系を好んでいますよ。

血が出たり、残酷な描写はアレだ…下腹がキュウってなる。
文章で表現されると、脳内にダイレクトに浮かぶからツライ。
なんつか、ワタシが見ていたいのはキレイで優しい物語であるよ。