ノーベル賞を受賞した山中伸弥先生の子育て本(共著) その3 | 魔法の国語 新館

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中受の国語中心の家庭教師です。
東海中高、慶応大出身。
東海(特奨)、滝(特待)、南女など
東海地区のトップ校への合格実績があります。

県外は開成、聖光、洛南、東大寺、西大和など。
進学先は東大理三、旧帝医、最難関私立医など。
詳細はプロフをご覧下さい。

前回は山中先生について

書きました。

 

思った以上に自由に

育ってましたね(笑)

 

一方、共著の成田先生は

正反対に育ったようです。

 

超多忙な病院勤務の

小児科医である父親。

 

結婚前までは

臨床心理士だった母親。

 

その二人に厳格に

育てられた印象を受けます。

(P48~P54)

 

テストで100点取っても

褒められることもなく、

頭も撫でられることもなく。

 

ずっと完全否定され、

心理的虐待だったとまで

振り返っています。

 

母親に認められたい一心で

勉強を頑張り、中学受験では

塾なしで神戸女学院に合格。

 

しかし、中学時代は重めの

自律神経失調症になり、

電車通学では1駅ごとに

駅のベンチで休みながら

登校していたとのこと。

 

 

・・・読んでいて心が痛みます。

 

 

私もこの家庭教師という

仕事をしていて一番つらいのは、

こういったご家庭からのご依頼ですね。

 

「甘やかしてはいけない」

という思いからだと思いますが、

言い過ぎと思われるご家庭も

正直言ってあります。

 

子どもを注意するにも

「言葉の強さ」と

「言うタイミング」

というものがあると思います。

 

率直に言うと、

そういうご家庭は

注意しているつもりの

内容そのものが

的外れのことも多いです。

 

 

「これは将来、

子供の人格に悪影響が出かねない」

と思った場合は

首を覚悟で保護者の方に

意見をしたりもしてます。

 

中々に修羅場も

経験しました(苦笑)

 

でも経験者の先生は

分かると思いますが、

その場で本気で言い合える家は

何とかなるんですよね。

 

マンガの「2月の勝者」に出てくる

某家のような、世間体優先の家は

厳しいですね。

 

 

成田先生はご自身の育った家庭を

振り返り、

 

「今思うと、うちの家庭そのものが

虚勢で覆われていたというか、

『こころ』が入っていない

『家庭』という箱だけだったように

思います」

 

と述べられています。

(P59)

 

こういう辛い経験があるからこそ、

成田先生は立派な小児脳科学者と

なられたのだと思います。