ホッとひといき。


【 100歳、ずっと必要とされる人 

 -現役100歳サラリーマンの幸せな生き方―

                     福井福太郎 】


たまたまテレビで紹介しているのを見て知った本です。

本との偶然の出会いは嬉しいし不思議ですね。


100歳で現役サラリーマン、と聞けば、健康な人なんだろうなとか

”働かせてもらっている”幸せな人だろうな、と思いました。

でも読んでいくと、そういう冷めた見方とは違う内容だと分かりました。


といってもやはり健康な人というのはもちろんのことで、


・・・会社は東京・神田にあるんです。僕は辻堂(神奈川県藤沢市)の自宅からJR東海道線に乗って、通勤しています。大体、片道で1時間ぐらい。・・・席を譲ろうとする人がいませんかって?朝のラッシュ時ですからね、そんな人はなかなかいませんよ。


今では非常勤で毎日通勤されていないということですが、90歳代でそうしていたということですからスゴイ!としかいいようがありませんね。


それにしても今の時代、働きたくても働く場所を見つけられない人が多い中、100歳で働ける場をみつけることが難しいと思いますが、ただ自分のために【働く場を探す人】と人の役に立ちたいと思っていて【必要とされる人】の違いなんでしょうか。


・・・でもまだお役に立ちたいと思いながらも、もうずいぶんと長く会社にいすぎたかなあ、といつも感じているんだ。それに、僕がいなくたって、みんながしっかり働いてくれている。だから、96歳の時に、「いい加減もうこの仕事も長いので、そろそろ辞めたい」と会社に言ったんだよ。そしたらそれが、東京宝商会のオーナーで、僕の親友だった望月玉三さんの奥さんの節さんの耳に入ってね。節さん、僕の長女のところにまで、わざわざ電話をかけてくれたんです。「福井さん、辞めるなんておっしゃらないで、ずっといていただきたい。(辞めるのを)やめてほしい」 節さんは、僕の長女に、電話でそう言って下さったんです。・・・


ただお金のために働く、仕事をするのが普通だから働いたということでなく、人の役に立ちたいから働くということが【ずっと必要とされる人】ということなんですね。


生い立ちの複雑さや戦争を経験したこと(戦争を経験することももちろんですが、戦後にまた日常生活に戻るという大変さも)など、ご自身を「のんき」だという性格だけでは乗り切れないような、ままならないこともたくさんあったと思います。


そして私が一番、シンプルだけど大事だなと思ったのは


・・・ただ僕は、元気な間は、人間はずっと働かなきゃいけないと思っているんです。・・・動物がそうであるように、人間というのは一生、生きるために働く存在だと思うんです。人間も動物なのだから、僕は生きのびることに対する本能が強いから、働いているんだと思う。

ということです。


自分はただ独りよがりで働いているのか、必要とされて働かせてもらっているのか、しみじみ考えますね。