④「地熱の活用」と住み心地の関係


木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの構造に関わらず「一戸建住宅」に
お住いの方は皆 共通して冬場 床(足下)が冷たいという不満
もっています。


一つの解決方法として「床暖房」が上がられます。
しかし、床暖房していない部屋の床 特に水回り部分が寒いことが
不満原因に上がっており 対処療法でしかないようです。


根本的に考え直して

そもそも 「床が冷たくない住宅」を建築することは
できないものでしょうか。


そこで 解決策として建築する際に

「地熱を活用」することを提案 したいと思います。

「地熱」とは、地面の中の温度 つまり地球がもっている温度です。

地熱の温度はどうやって知ることができるのでしょうか?
実は 簡単に知ることができます。


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皆さんは井戸水(地下水を飲んだことがあるでしょうか?
水道が発達した現在 井戸水を触ったことがない方も多くなりました。
少し年長の方なら「井戸水は夏冷たくて、冬暖かい」と感じた記憶をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。


冷蔵庫のなかった昔、夏場 日本人は「すいかを井戸水で冷やしていました。

(左の図)

また、冬 水道管が凍結するような地域の場合は 水道管が凍らないように 暖かい地面の中(凍結深度以下)に埋めることを生活の知恵として 今でも行っています。

LiveNear ソーラーサーキットの家に住んで 生活を愉しむ  http://recom.ne.jp また、動物や昆虫は雪の降るような寒い冬、穴を掘って地面の中で冬眠していますね。
そういえば、人間だって太古の昔は、竪穴式住居、横穴式住居といって地面に穴を掘って暮らしていましたね。
現代人が忘れているだけで、地熱は今も昔も上手に活用されてきたようです。
さて、その地熱の温度 何℃位なのでしょうか。
実際に温度計で井戸水(地下水)を測ってみると

夏も冬も15℃前後であることがわかっています。
15℃の水を真夏は冷たいと感じ、

15℃の水を真冬は暖かいと感じていたんですね


自然界にそのままあって 

特にエネルギーと使っていないのに「夏冷たくて冬暖かい」と
感じることができる「地熱」・・・

人間にとって こんな都合のいいものは利用しない手はありませんね


それでは、この「地熱」 建築にどのように利用できるのでしょうか。
まず、地熱だから地面の中ですね。
建物の中で地面の中にあるもの・・・基礎 そう基礎のコンクリートですね。


③のところで コンクリートは蓄熱容量が空気の1480倍と非常に大きいことを
知り、 そのためいったん熱をため込むと 今度は急には大きな温度変化をしない
性質をもっていることを学びました。

この性質がとっても 人間にとって 非常に都合がよかったんですよね。


地熱を建物に利用することを考えるのなら 基礎のコンクリートを利用するのが
一番てっとり早くかつ合理的のように見えます。


しかし、実際によく建築されている住宅の基礎コンクリートをよく見てみると 今のままの基礎では地熱の活用はできそうにありません。


それは、一般に住宅の基礎コンクリートが いつも外気にさらされており、
しかも基礎空間の通気をよくするために換気口や基礎パッキンが
設けられて冷気が寒い冬も基礎を冷やしているからです。

③で学んだように 

基礎のコンクリートが徐々に外気で冷やされた場合には
地熱の活用どころか冷熱をしっかりため込んで、足下からの冷ふく射の原因

になってしまいます。

だから、

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造いづれの工法で建築したとしても足下が冷たいのです。 


ではどうすればよいのでしょうか?
答えは簡単です。


基礎コンクリートが外気にさらされないように、

外側から断熱してあげて かつ
冬場は基礎の空間に冷たい外気が入らないように換気口
を閉じて

あげればよいのです。
ええっ??
シロアリ対策のために、換気口が必要だ・・・とお考えの方もいらっしゃるかも
しれませんね。

現在の建築基準法では基礎を外側から断熱(外断熱)した場合には
換気口は設けなくてもよいことになっているのです。ご安心ください。

さて、基礎コンクリートを外断熱して、換気口を冬場閉じた場合、
基礎部分の温度は何℃位あるのでしょうか?

基礎のコンクリートは地面の中に300mm~330mm埋まっており、
「夏はひんやりした冷熱」を貯え、「冬はほっこりとした地熱」を貯えています。


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左図をご覧下さい。(冬の二次元伝熱シュミレーションの図 )

図をみるとわかるように 基礎断熱をすると地熱のおかげで
全く暖房しなくても 15℃の温度があるのです。

地熱の効果は床暖房と異なり住宅のLDKだけでなく

玄関ホール・廊下・トイレ・洗面所・浴室
すべてにが及びます。

そのおかげで全く暖房しなくても 寒い部屋はなくなります。
床の温度は 冬場 普通に20℃位に暖房した時に床の温度を測ってみると17~18℃あります。
17~18℃の床温度と言えば、冬の温度ではありませんね。春や秋の温度です。
春や秋の温度があるから 床暖房などいらないって言えるんですね。

このように

うまく地熱を活用することができれば、

床暖房がなくても冷たくない床にすることが可能なのです。

冬でも 裸足で歩く人がいる位です。

☆基礎コンクリートを外側から断熱することで 

地熱がうまく活用でき寒い冬場でも、

床が冷たくなくなることがわかりました。


それでは夏場はどうでしょうか?
同じく 夏場の二次元伝熱シュミレーションの図を見てみましょう。


LiveNear ソーラーサーキットの家に住んで 生活を愉しむ  http://recom.ne.jp 冬場との違いは、基礎の換気口を開いて通気を行っています。
ちなみに通気しない場合には、基礎の空間が冷え過ぎてすぎる場合があります。
基礎の空間の冷え過ぎは結露の原因にもなるので換気口を開いて基礎を25℃程度に保つようにします。

さて、図を見て分かるように、夏場は基礎の空間の温度は

冷房無しで26℃です。
真夏に26℃と言えばかなり冷んやりしていますね。
高気密・高断熱の家は魔法瓶やクーラーボックスの家に例えられます。
いくらとクーラーボックスいっても保冷材が入っていなければひんやりはしません。
ここに、もし26℃の保冷材とも言える基礎コンクリートが入っているとしたら・・・

中はひんやりしてかなり住み心地がよさそうですね。

冬の場合でいうと

15℃~17℃の保温剤ともいえる基礎コンクリートが入っているのです。

基礎を外断熱して「地熱を活用」する方法

冬だけでなく、夏も期待できそうです。 


ここまで基礎を外断熱することによる「地熱の活用」について
冬と夏の効用について触れました。

では、さほど寒くない、熱くない

春や秋の場合はどうでしょうか?

実は、

春や秋の住み心地にも高い効用が見られる

ことが報告されています。


春や秋の住み心地への不満を思い出して下さい。
・「三寒四温の朝夕の急激な温度差で体調を崩す。」

という項目がありました。

そもそも

人間は、急激な温度変化が苦手で 体が付いていかず 
春や秋に体調を崩すことが多い

のです
一般に個人の一戸建住宅は蓄熱容量が小さいので、

外気の温度が大きく変化すると
それにつれて室温も大きく変化してしまいます。

これに対し基礎コンクリートを外断熱した建物の場合、

断熱空間の中に蓄熱容量の大きいコンクリートが入っているおかげで

急激な温度変化をさけることができるのです。


一日中、温度変化の小さい穏やかな空間にすることが可能になるので

体調を崩すことなく過ごすことができます。


考えてみれば 

このような住宅性能こそ健康住宅に求められるべき

ではないでしょうか。


ちなみに マメ知識です。


基礎を外断熱することは

コンクリートの長期耐久性の面でいっても非常に有利になります。
鉄筋コンクリートの寿命はコンクリートが中性化するまで

約60年と言われています。
基礎コンクリートを外側から断熱することは、コンクリートの中性化も遅らせることが
できるのでその倍の寿命を期待することが可能になります。


RECOM㈱
代表取締役 田中勇一
RECOM新築用web http://www.recom.ne.jp/