Ⅶ 断熱性は高ければ高いほどいいのか・・・について


言い換えますと


「Q値は小さければ小さいほどよいのか。」


という命題です。





あなたはどう思われますか。考えやすくするために


もう一つ質問させて頂きます。


「無暖房住宅」をいう住宅をお聞きになったことがあるでしょうか。





「無暖房住宅」とは、建物の壁・屋根・窓・換気の性能を非常に高めることにより

極寒の気候下においても

人の体温(120wの白熱電球相当の発熱量)や


テレビ・冷蔵庫・照明器具の生活熱及び

太陽熱で快適に暮らせる住宅
のことです。


室内で発生する生活熱を「内部発熱」といいますがこれと、昼間の太陽熱

利用するだけで、


特別な暖房機器を設置することなく快適に過ごせる住宅


なのです。


エネルギーを使わずに暖かいのですから究極のエコ住宅と言えます。


断熱性をどんどん高めて、Q値限りなく小さくすることで究極的には

このような住宅も可能になるのです。

すでに実用化に向けて長野県に無暖房住宅実験展示場があります。


このお話をさせて頂くと、Q値はできるだけ小さい方がよいのではないか・・・

という気がしてきます。

どうですか?


ところで肝心の命題に対する答えですが、

に関して言えば「Yes」です。





これに対し

に関しては、日本のほとんどの地域において「No」という答えになります。


何故なのでしょうか?


「無暖房住宅」は人間の体温や照明器具・テレビ・冷蔵庫から発する生活熱つまり

「内部発熱」だけでも暖かくなるような、少しの熱でも大事にため込んでしまう

性質を持つ住宅です。

また、晴れた日の日中の太陽熱も大事に取り込むように計画された住宅です。





もしもこのような住宅が、


夏を迎えたらどのようなことが起こるのか想像してみて下さい。

私が、夏が「No」と申し上げた意味がわかってきたのではないでしょうか。





「無暖房住宅」は夏にも「内部発熱」熱をため込み、


しかも冬に比べ日が長く、日射が強烈な夏の太陽光の熱を


取り込む住宅なのです。




夏暑くなる地域では、

断熱性能を高め過ぎた、つまりQ値の小さすぎる住宅

「太陽熱」と「内部発熱」で室温が上昇してしまうために冷房する期間が

長くなり過ぎ、省エネどころか冷房エネルギーをかえって増加させる住宅


になってしまうのです。


☆Q値自慢だけの家では、夏は暑いのでクーラーにたよる家になります。

夏場どころか本来気候がよいとされる5月や10月頃でもクーラーに

頼ることになりかねかせん。




では夏場を快適に過ごすための対策は何か。


①断熱性より「遮熱」に配慮


夏は断熱性能つまりQ値にたよるよりも 窓から入ってくる熱の「遮熱」

について配慮する必要があります。

なぜなら、夏は外部から侵入する熱の71%が窓から入ってくるからです。

遮熱対策としては「ひさし」や「たてす」「すだれ」「雨戸・シャッター」

「遮熱複層ガラス」「ブラインド」「カーテン」などが有効です。





②熱ごもりをさせない仕組み


建物の構造体の中に熱をこもらせず熱や湿気を排熱する仕組み

もたせることも有効です。充填断熱工法では難しいですが、外張断熱

工法であれば可能でしょう。

これについては、第三章第5節ご参照下さい。





③地中熱の利用


第三章第4節でお話させて頂いた地中熱のひんやり感を利用することも有効です。





「住み心地」の観点から断熱性能がどれくらい必要かの目安

夏場暑い地域で住宅建築する場合 Q値は「2~2.4」程度

それ以上断熱性を高めることは、冬と夏の快適さのバランスを

壊す恐れがあるので注意が必要です。









RECOM㈱

代表取締役 田中勇一

RECOM新築用web 
http://www.recom.ne.jp/