・構造的に強い住宅の3条件とは
構造的に強い住宅にするには次の3つの要件を満たさなくてはなりません。
(要件)
①強い耐力壁となっているか
②構造部材が傷んでいないか
③強い壁の配置バランス
①から詳しく見ていくと、耐力壁が強いと言えるためには必要量の強い壁だけではなく、実は強い床が必要となります。
建物が横に揺れて倒れないためには、1階の壁(耐力壁)が2階にかかる横の力(地震の横揺れ)に抵抗します。
この耐力壁がきちんと働くためには横の力が壁にしっかり伝わらなくてはなりません。
その力を伝えるのが2階の床です。
ですから、2階の床がしっかりと横の力を伝えてくれないと耐力壁に力が伝わらず、強い耐力壁も働きようがないのです。
しっかり伝わらない場合、力は建物の弱い部分にかかり、そこを壊します。
場合によっては床自体が壊れることさえあります。
ですから床は建物にかかる横の力を受け止め、強い耐力壁に伝えるためにも、頑丈に造られなくてはなりません。
また丈夫な耐力壁をつくるためには、柱と筋交い等の結合部を金物でしっかり結合させることも重要です。
②の構造部材が傷んでいないかについては、木造住宅の傷みは水と腐朽菌そしてシロアリが原因であることがほとんどです。
ですから雨漏りや住宅の壁体内結露は大敵です。
さらにシロアリは新しいみずみずしい木だけでなく、柔らかい腐りかけの木も好みますから、厳重な注意が必要です。
構造部材の傷んでいないかを発見するには、日頃の簡易点検や数年に一度の本格的な点検が欠かせません。
そして傷んだ所を発見すれば修繕しなくてはなりません。
木材の腐りやシロアリの被害は、本来あるべき木材の太さを無くしてしまいます。
普段はちゃんと建っていた建物が、地震や強風で一瞬の内にもろくも崩れる場合には、それが原因である場合が少なくないようです。
現在の日本にある古い立派な木造建築は、繰り返し手入れが行われたからこそ、千年以上も風雪に耐えてきたのだと言われています。
長きに渡り建物を使用していくには、定期的な点検や補修が欠かせないわけですが、できればこれから建物を検討する人は構造部材の傷みが出にくい工法を初めに選択すること推奨したいところです。
③の強い壁の配置バランスは2001年の法改正で明確に法律化されました。
これは建物の重量の中心のである重心と、たくさんの強い壁が地震や強風の横からの力に対抗するときに発揮する力の中心である剛心とのズレを見るものです。
重心と剛心の位置とがほぼ一致していれば、バランスの良い壁の配置と言えます。ズレが大きな場合には、建物がねじれようとして、建物自らが余分な力を生じ、その余分な力に耐え切れず建物が壊れるという危険性が増します。
そうでなくても建物は、横からと縦からの力に耐えているのですから、余分な力が加われば加わるほど、耐えにくくなってくるのは当然です。
ですからこのような余分な力を生じさせないために、強い壁つまり耐力壁の配置のバランスをとる必要があるのです。
これから建築を考える人にとって、難しい構造の分野ですが、強い耐力壁と配置バランスには是非とも強い関心をもってもらいたいポイントです。
建物の設計が出来た時点で構造計算をしてもらって安全を確かめてみると安心できるでしょう。
RECOM㈱
代表取締役 田中勇一
RECOMweb http://www.recom.ne.jp/