前篇では、A、B、Cの問題点を提起しました。


後篇ではその解決策について綴っていきたいと思います。




「弱者がハンデを感じない家造りとは」(後篇)


それではA,B,Cのような問題点を解決する住宅とはどのようなものか。


まず、建物のハード面(器)に求められる性能・品質でいくと、家の中に不快な温度差がなく、結露も発生せず、すきま風も騒音にも悩まされない高気密・高断熱の性能が求められる。

気密が確保されれば空気のよどみをきれいに除去する計画換気も確実に行える。
開口部に使用するサッシは十分な断熱性をもった例えば樹脂のサッシがよい。


それに加え、なるべく冷暖房に頼らずに、上手に自然エネルギーを活用する住宅としたい。

ここで利用する自然エネルギーは、夏涼しく、冬暖かいという 人間にとって非常に都合のよい性質をもっている地熱(地球の温度)だ。


また、建築資材のコンクリートの持つ熱容量が大きいという物理的性質(熱しにくく、冷めにくい性質 空気の約1480倍)を利用するのもよい。


そして、夏は暑くなって冷やすのではなく、なるべく自然に熱を逃がして暑くならない住宅にすればもっとよい。
熱を逃がす際に構造体を十分通気していつも乾燥している状態ならば断熱性、構造体の劣化も防げることになります。



 では建物のソフト面(間取りやデザイン他)に求められる要素は何だろうか。

建物を「物」と考え、「物」そのものだけにこだわって見てしまうと、多くの人は機能性やデザイン、派手さや豪華さだけに目が行きがちです。


ソフト面を考える上で重要な点は「生活」という視点で、それは「今」と「これから」の生活の中で、物や設備がその自分や家族の助けになるかという基準です。


「今」という観点からいくと
①家族構成や家族の趣味趣向にあった間取り構成をしているか。


②必要なところに必要なだけの適切な収納計画がもりこまれているか。


③使い勝手の変更や、模様替えが容易に可能であるか。


④十分な採光や通風が計画なされているか。


⑤不意の来客時などに臨機応変に対応できる間取りか。


⑥あらかじめ家具や大型化する電気製品の配置計画がなされているか。


⑦短い家事動線でかつ無駄な廊下などはないか。


⑧実用性を十分持った上で、ゆとりの空間(楽しみの空間)が持てているか。
などでしょう。


「これから」という観点からいくと
①子供の成長・家族の人数の変化に応じて間仕切りを容易に変更できるか。
例)子供室大部屋→区切って小部屋→子供独立後、大部屋に戻す。


②住宅設備(水廻り・換気設備)が老朽化した時の交換が初めから計画に入っているか。
例)入れ替えが予想されるところは特注品にしない。入れ替えコストが高くつく設備を導入しない。(床暖房など)


③車椅子利用や介護人が付添い易いスペースが考慮されているか。
例)廊下の幅、トイレの広さを考慮。手摺の取り付けか、将来取付け可能な下地工事。


④老後なるべく長く自活して暮らせる配慮がなされた間取りであるか。
例)ポーチ・玄関の段差の解消の問題。2階に上がれなくなった時、平屋暮らしが可能か。
寝室・トイレ・洗面・風呂がまとまった空間(ケア・コア)となっているか。


☆「これから」を考える上で注意すべきなのは、将来のことを考えるあまりバリアフリーやユニバーサルデザインに「完全」を目指すと、コストがかかり過ぎたり、「今」が暮らしにくくなる場合があります。そこで将来必要になった時に、容易(低コスト)に改修(リフォーム)できるように「構造を計画すること」が大切です。
また住む人の立場に立って上記のことについて、長期に渡る計画を立てて、アドバイスを出し続けてくれるパートナーとの出会いも重要な要素です。 



後篇はこれで終わりになりますが、上記のテーマにそって長期に渡ってアドバイスを出し続けてくれるバートナーとの出会いについて 次回は綴って行こうと思います。


RECOM㈱
代表取締役 田中勇一
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