「長く住まえる住宅造り」をテーマに田中が研究してきたことを 何回かに分けて綴っていきたいと思います。
本日は 「これまでと これからの家造りを考える」です。
これから(過去)の家造りを考える前に、現在に至るまでに行われてきたこれまで(過去)の家造りを概観してみたいと思います。
これまでに行われてきた一般的な家造りは、現在子育て世代の元気な建て主が主人公となる家造りが多いように思われます。
もちろんこれから大きくなっていく子供たちが 健やかで元気にそして立派な大人になるその過程をどう過ごさせてあげるのか。
これが家造りにおいて非常に大きな命題であることは当然のことでしょう。
忙しい子育て世代は、効率的に家事をこなしつつ家族が団欒を楽しめて、奥様やご主人の趣味を満足させる機能的な間取りを求めてきました。
そしてその時代時代の流行のおしゃれな素材・デザインを取り入れて夢を膨らませながら楽しい住宅計画を進めてきました。そして手に入れた家。
忙しく子育てをしている内に時が過ぎ、幼くかわいかった子供たちもいつしか大人になって独立して巣立っていきます。気がついたら若かった自分たちもシニアと呼ばれるような世代に入ってしまった・・・なんて人も多くないと思います。
体の衰えを感じてこれから老後を過ごそうというこの段階になって、子育て重視だけて建ててしまった住まいは、残りの人生を過ごすのに ふさわしい家 といえるでしょうか。
世界でももっとも早いスピードで高齢化社会を迎えると言われている日本。
医療費の増大が心配される中、税でまかない切れない医療費や福祉は今後削減・カットが見込まれています。
これまでは体が衰え介護が必要になった場合、介護福祉施設などを利用してお世話になることが可能でした。
しかし、医療費・福祉のカットはこの介護福祉施設の介護ベッドを廃止させようとしています。
つまり介護が必要なのだが、家族が面倒をみることができない・・・という理由での入院 「社会的入院」と言いますが、これが認められなくなるといわれています。
ということは、これからは老後は「自宅療養の時代」が始まることを意味しています。
これからの家造りは前半が「子育て世代向け」後半が自宅療養を踏まえた「シニア世代向け」、この2つの要素を兼ね備えた家造りでなくてはならなくなっていると考えられます。
もちろん、私はちゃんと老後のことも考えて家造りをしていますよ・・・とおっしゃるしっかり者の建て主さんもいらっしゃることでしょう。
そうですね。家造りをされるみんかがそうあって欲しいと思います。
今若くて元気な人も、生きていれば必ず年を取りますし、病気をしたり、何かの障害を背負うかもしれません。
超高齢化社会の到来は、住宅に大きな変化を求めています。
家に住まう家族のみんながかつて乳幼児であったし、青年・壮年を経験し、そして高齢化するのです。弱者から強者へそして弱者へ変化するライフステージを受け入れられる家造りがこれからの家造りです。
家とは本来、家族という集団が暮らすところであり、それは弱い人(老人だけでなく赤ちゃんや障害者も)を助ける集団、相互扶助の集団と言えます。
弱者に優しい住宅は、必ず健常な若者にとっても快適かつ健康的で、そして何よりも家族の安心が得られるはずです。
そのような家造りの概念をもった住宅を「住福祉の家」と呼ぶようです。このような家造りは、まだ日本では歴史が浅いとは言え、バリアフリー住宅、ユニバーサルデザインなどとして、福祉を目指す社会の動きとして、先駆的な試みが行われています。
「住福祉の家」についてもっと詳しく知りたい方は
ソーラーサーキットマイスタークラブのHPへ
http://www.sc.meister-club.com/
次回は 弱者がハンデを感じない 家造りとは です。
RECOM㈱
代表取締役 田中勇一
RECOMweb http://www.recom.ne.jp/