昨日は午後から岡山の備前市に焼き物を見に行きました。えっ何故 突然 備前焼?と思ったかたも多いでしょう。

それは毎週欠かさず見ているNHKの「美の壺」 先週の特集が「備前焼」だったからなのです。

妻は以前から、「備前ってそう遠くないよね。一度行きたいね」と何度も催促していました。

私も昨年の秋放映の 「北大路魯山人 食器は料理の着物」の特集の時に 紹介されていた備前焼に少し興味をもっていたので、今回ついに行ってみることにしました。


日生に立ち寄り 牡蠣ランチを食べた後、備前へ。到着するなりJR赤穂線伊部駅の入っているビルの2階の産業会館で、わからないなりにまず備前焼をたっぷり鑑賞。写真参照。

うーん。どれも作家さんの名前が書いてあって名品のように見えるんだけど 好き嫌いはわかっても 何がよくてそうでないのかはいまいちわからない。

なにかいいもの・・・と思ってもわからないのはつまらないので 隣に建っている 「岡山県備前陶芸美術館」を見に行くことにしました。


1階の展示は近年技術を登録された若手?の作家さんの展示。2階は古備前(鎌倉~桃山時代)の作品展示。3階は人間県宝 人間国宝の方たちの作品展示がありました。

2階で備前焼の歴史を少し学んだ後に、人間国宝の作品を鑑賞しに行きました。


私 田中の勉強方法を紹介すると、このようなわからない世界を勉強する場合、もっとも優れている言われている作品を徹底的にみることにしています。そしてそれが何故優れていると言われるのか、どの技術がすごいのかを一所懸命に観察します。するとやっぱり見える世界があるのですね。


備前焼の歴史をひも解くと、1000年と言われるその長い間には 栄光(桃山時代)と挫折(江戸後期から明治中期頃)があり そして復活(明治後期~昭和初期)と現在のブームがあります。


(桃山時代の全盛時代) 

千利休、古田織部が茶道具として多くの茶会に備前が用いた。また天下人の豊臣秀吉も備前焼の大ファンで、彼自身の埋葬棺としても備前焼を使ったほどだったとか。


(挫折不遇の時代) 

江戸時代に入り茶道の指導者が交代し、肥前や京都の色絵や施釉の陶磁器におされた。また明治に入ると鉄道の普及で他窯の廉価製品が普及してきたので ますます苦しくなり、備前の焼き物士達は土管や瓦を焼いてしのぐ生活だったとか。


(復活 伝統文化再評価の時代)

明治後期より陶芸の世界では、桃山時代の再評価がなされ復活しはじめた。また北大路魯山人らが食の器として美食ブームを起こし、現在に至るまで5人の人間国宝を輩出するほどに伝統工芸技術としての地位を固めた。


備前焼の特徴は、その厚みのある土味と釉薬を塗らずざらついた表面。そして火入れする時に偶発的に起こる窯変がもたらすさまざまな表情です。

また土をこねる時にわざと小石を入れ、火入れの時に小石がはじけて肌が荒々しくなったりしているのも備前焼本来の魅力の一つです。

釉薬を使わずじっくりと火を入れて焼き締める製法をとるため、焼きはじめから窯開きまで約1か月。ホントに手間のかかる焼き物です。このじっくりと焼き締めた効果はなかなかのもので、まず投げても割れぬと言われるほど硬い焼き物になります。固いのですが適度な気泡がありこれが断熱効果を発揮してくれるので、あったかい飲み物が冷めにくく、またビールも冷たくおいしく飲めるなどの長所があります。



裏に焼いている窯があるお店であんまり熱心に見ていたので、窯元のおかみさんが、備前焼の味方を教えてくれました。実際の窯も見せて頂きました。一枚目の写真。2枚目の写真の真ん中 四角いお菓子皿を事務所の来客用に購入しました。お楽しみに。






おかみさんによると

まず、備前焼の価値の高い低いの基本は、窯に一度に入る量が決まっているので大きいものほど高く

次に、窯の中のある一部の場所でしか窯変しないので、窯変したり胡麻の入った作品は希少価値があるので高いそうです。

私は思うに

窯変しているものが概して価値が高いとされていますが、窯変は一種のデザインであって器としての使い勝手や機能は変わらないので、初心者は値段の高い窯変作品には手を出さない方が無難かもしれないと感じました。まずは手頃なものを取りあえず手に入れて使ってみることでしょう。


昨日は自宅に帰ってからも備前焼美術館で購入した「週刊 人間国宝 備前焼編」 を熟読し 夢にまで備前焼が出てきてしまった 田中なのでした。


以下、仕入れた蘊蓄です。

 

(参考、窯変の種類) 

胡麻(ゴマ): 焼成中に薪から飛んだ灰が表面に付着し、高温で溶けて釉化したもの

桟切り(さんぎり) :窯の区切りのところで灰をかぶったりして、酸化焼成ではなく還元焼成して焼けたもの。黒味がかった青灰色になる。

牡丹餅(ぼたもち):製品の上に円形のものを置いて そこだけ炎も当たらず灰も降らないため 白色や赤褐色に丸く色が抜けることから名付けられた。

緋襷(ひだすき):製品を重ねて焼く時に製品同士の焼付きを防ぐために稲藁をおくが、稲藁のに含まれるアルカリ成分と土に含まれる鉄分が反応して赤く浮かび上がります。


RECOM㈱
代表取締役 田中勇一
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