PICNYという私の知らない国産メーカー製のレンジファインダー式単独距離計です。

 

 

おそらく1950~1960年代初期に製造されたのではないでしょうか。

運良く非常に安く入手できました。

 

 

画像はリコーのキャディに取り付けてみました。

こんな感じになります。

 

 

この単独距離計の良い点というか、個人的に大いに気にっている点が距離の表示が

m・Ft の表記になっている点です。

単独距離計をヤフオクやメルカリで探すと国外・国内産問わず出品されているおとそ

8割の距離の表示がFtなんですね。

まぁ1950または1960年代の時代であれば国産は輸出メインでしょうし、欧米産は日本仕様なんて考えていないでしょうから仕方が無いんですけど…。

しかし、私の場合は仕上がったカメラのテスト撮影で頻繁に使うのでヤッパリmじゃないと困ります。

 

 

数ヶ月前に西ドイツのWaltu製の単独露出計を入手して修理したのですが…。

 

 

テスト撮影で使っていたのですが、撮影するシーンによっては二重画像が上手く反映されない事がありました。

そんな時はトントンと上から叩くと二重画像が出てくるので叩きまくってたら足がポキッ!と折れてしまいました!

本体の黒い部分の素材は金属を塗ったのではなく、エボナイトの様な樹脂でした。

同じ物をお使いの方は取り扱いに注意してくださいね。

考え方というか使い方によってはカメラとは分離して単独露出計だけで計測した方が便利なのかもしれないのですが。

 

 

実は私はそも西独製よりも国産の単独露出計が欲しかったんですよ。

西独製の工業製品と云えば誰もが認める高性能高級品です。

ですが彼ら独国人(ゲルマン人)の技術力は私にはオーバースペック過ぎて対応できないのではないかという不安がありました。

国産品であれば同じ日本人の発想で開発・製作された物ですから、その意図を理解して分解・修理がしやすいかと思います。

しかし『天才』であるゲルマン人が創りしものは凡人である私の頭脳では図り届かない部分が有るのではないかと怖れたのです。

以下は彼らの天才としての一例ですが…。

あのポルシェ博士は1940年代初期には『内燃機関で発電した電気を銃でしてモーターで戦車を動かす』方式の実用化に一応成功しています。誤解を承知で例えるなら『プリウス』のご先祖様みたいなものです。

彼らはそのような一歩間違えば『狂気』ともいえる科学力を持っているだけでなく、それらを実現できる技術料と基礎産業力を当時既にっもっており、更には手先の器用さまでも持ち合わせていたからこそあのような製品を創り出せたのではないでしょうか。

ですが『天才』の考察はものによっては私の様な凡人にはとても辿り付けない部分が有ります。

 

 

 

そんな感じで戦々恐々としながらWaltzの単独距離計を分解してみると私の懸念は見事に的中してしまいました。

その当時の詳細につきましては以下

 

 

をご覧ください。

ミラー部の構造が人間の眼球のような動きが出来るようになっているのには驚愕しました。

そして即座に『これどやって調整すんね~ん⤵⤵⤵』

と頭を抱えて悩みました。

 

閑話休題

 

前置きが長くなってしまってすみませんでした。

以上の様な事(経験)から今回は国産の単独距離計を分解してみて西独製のWaltzとの構造やメンテナンス性その他を比較していきたいと思います。

 

 

まずは外観をよく見ていきましょう。

本体両サイドにマイナスネジがありますね。コレを外すと手前に蓋が外れるのでしょうか。

右側の銀色の筒の周りにあるネジは外す必要はなさそうです。

 

 

左側丸い部分を緩めてみましたが外れませんでした。

右側がレンジファインダーの距離を測定する基幹部分になるようです。

二重画像の一致を調整するだけであればここに手を付ける必要は無さそうです。

 

 

足が緩んでしまっていてます。

角度を合わせる必要があります。

 

 

一部塗装が剥げているかと思ったのですが…。

 

 

ここにも同じような物が

 

 

こちらにもさらに大きなものがあります。

何かを固定しているのでしょうか?

 

 

さて、蓋を開けてみました。

すると…。

????????

なんじゃぁ、コリャ!

なんか中身がやたらとスカスカなんですけど…。

そしてセロハンテープ?

 

 

ミラーには新品時から傷が付いている?

 

 

エェぇぇぇ~!

ガラスの抑えにセロハンテープ使うんかい!!!

 

 

しかもそのガラスの縁が欠けています。

まぁ、ココは大勢には影響ないけど…。

 

 

ネジ穴を開けた痕のバリ取りのつもりなんだろうけど…。

中学生でも申し越し上手くできるでしょうに。

 

 

二重画像の上下左右の調整機構を探していたらミラーがポロッと落ちてしまいました。

当初ミラーに傷が付いていると思ったのですが実はコレ、はみ出した接着剤が付いていたんですね。

ヘタクソ!

 

 

足の角度調整機能が何もありませんよ。

これじゃぁ遅かれ早かれガタが出てきますよ。

なんとか工夫して固定します。

 

 

ミラーを清掃しようと思ったらハーフミラー側もポロリと外れてしまいました⤵⤵⤵

なんと低レベルな接着剤を使っているのでしょう…。

そしてハーフミラーの蒸着の一部が剥がれてしまっていますね⤵⤵⤵

この状態で二重画像のズレを調整する機構を探しましたがありませんでした!

つまり工場出荷時から現在の状態だったのでしょう。

左右は合っていますが上下の乖離は甚だしレベルです。

こんな状態で堂々と販売更には輸出していたのでしょうか?

も…、もう…嫌だ…。

 

 

ここで作業を一旦止めることにします。

 

この単独距離計は造りがあまりにも悪すぎる!

分解すればするほどにその品質の悪さに振れてしまい修理をしたいという私の情熱が血液から気化して抜けていってしまいました。

1950年以降辺りの製品ではないかと思っているのですが…。

キヤノンやニコンといった主だった光学機器メーカーならまだしも、

聞いたこともない雑草のようなメーカーの製品だと当時はこんなにも酷いレベルだとは小見ってもいませんでした⤵⤵⤵

時代が時代ですから品質や材質が悪いのは理解できます。

だったらその分製作過程の組み立てで真摯に丁寧に手を入れてくれればよかったのにそのような形跡は全く見当たりませんでした。

むしろ不完全ともいえる状態の品質で出荷されていた感が私にはありました。

 

 

さきほどまで西独製の狂気とも云える崇高な技術について熱く書いておいてから『願わくば自分の身の丈に合った技術で作られた製品、例えば国産』などと願っておいていざ国産品を分解したらここまでクズだったとは…。

西独製と同じ土俵で比較しようとすること自体がおこがましい事でした。

まるで頭からゴミ箱に投げ込まれたような気分です。

 

何とも云えない気分です。

このまま作業を進めて組上げていくか、そんな価値は無いとして組み上げずに破棄するかどうかを今夜一晩考えてみたいと思います。

あまりにも残念な品質に悲しくなり過ぎて今はちょっとこれ以上手を付けられません。

本日はここまでとさせていただきます。

 

追伸

 

随分と昔からMade China 中華製品はとにかく物が悪い、品質が悪い、すぐ壊れるとか云われて酷評されてきました。してきました。

でも我々日本人だって75年前の自国の製品の品質は似たようなものでした。

とても良品とは思えない状態でも平気で出荷していたみたいですから。

そのことを記憶に留めながら他国の製品をあまり揶揄するのではなく『温故知新』という言葉を心に抱いていきたいです。

 

 

追追伸

 

その後作業を継続しようと決心したのですが、ミラーの取付・接着をあれこれしているうちにハーフミラーのじょちゃくぶ部分が殆ど剥がれてしまってミラーの役割を担うことが出来なくなってしまいました。

部品用のハーフミラーを購入してサイズをカットして修理する事も可能なのですが、残念ながらそこまでコストを使う程の価値は無いとの判断になりました。

ですので本件はこれにて終了となります。