Walz のレンジファインダー式単独距離計です。

 

 

Walzの日本語読みって私は『ウォルツ』って読んで発音すると思っていたんですけど、

一般的には『ワルツ』なんですね。

音楽のワルツとおなじなんですね。

因みにアニメルパン三世で有名になった『ワルサーP38』という拳銃なんですけども、

ワルサーはWaltherと英語で書くので私的には『ワルサー』ではなく『ウォルター』というよりも『ワルター』と発音したい感じです。

アメリカとかでは『ウォルサー』とも呼ばれているみたいですけど。

まぁそんなことはどうでもいいんですが。

 

 

現在までこの建築用のレーザー式距離計を使って被写体との距離を測っていたのですが、レーザー式だと対象物が植物などの場合や電柱のような丸い物体だと距離を測定できない場合があります。

使用感は非常に不便でした。

 

 

 

それでレンジファインダー式の単独距離計であれば不便に感じないのではないかと思い購入する事にしました。

 

 

ヤフオクにて落札したのですが、純正と思われるケースに入っていたのでこれならファインダー内のレンズやミラーといった部品にカビ等の腐食が少ないのではないかと思いましてこちらを落札しました。

どうやらその推測は正しかったようです。

 

 

あとコレは距離の表記がメートル (m) になっています。

ヤフオクやメルカリに出品されている単独距離計の多くの表記はフィート (feet) になっていて、メートル式はかなり少ないです。

 

 

早速覗いてみたのですが、レンズやミラーにカビやクモリ腐食等は無かったのですが二重画像の合致が上下と左右共に僅かにズレていました。

このズレを修正するために分解していきます。

落札前にドイツ製なので日本製とは違った構造をしていて無闇に異常に凝った造りをしていて下手すると組立できなくなるのではないかとも予測したりもしていたので、できることなら日本製の方が良いなと思っていたのですが程度良さそうな物が無くこちらを選んだのですが、はからずもその予測は的中してしまいました。

さて分解ですが、まずは左右の銀色のキャップ部を外します。

ネジ式になっています。

 

 

次に距離計ダイアルの中心にある飾り蓋を外して取ります。

接着剤で取り付いているだけです。

 

 

 

飾り蓋を外すとネジが出てくるのでカニ目スパナで緩めて距離計ダイアルを取り外します。

 

 

そして左側から中身を抜き取ります。

あっそうそう、黒い外側の筒は金属ではなく樹脂製のようです。

 

 

中身はこんな感じになっています。

左にあるのがミラーです。

 

 

上側にはバネが付いているので紛失しないように取り外しておきます。

 

 

二重画像の調整は奥に見える穴にドライバー等を突っ込んで樹下左右に動かして調整するそうですが何度やっても上手くいきません!

動きが非常に悪いです。

そのため何度も繰り返したため穴の部分が変形したり削れたりしてしまい地金が見えてきてます。

 

 

動きが悪い時は黄色→のネジを緩めて動きやすくするそうです。

試しにこのネジを外して蓋のプレートを外してみたら赤色→の膨らんだ部分にナント

金属製の球体一部をえぐって(削って)その中にプリズムが入っていました。

つまり人間の眼球の様な形というか構造をしているんです。

そしてこの蓋のプレートがバネのような役目をしてその眼球の位置を固定しているようです。

私が現在まで経験してきた二重画像の調整方法等のは

左右方向 → X 軸

上下方向 → Y 軸

の二方向を調整する事で一致させています。

ですがこのWaltzの『眼球方式』とも呼べるこの方式だとX軸Y軸どころか360度のようにまさに人間の眼球の様な動きが可能になってしまうため、二重像が合致する場所を見つけ出して固定させるのなんてまるで宝くじを当てるようなもんです。

なんちゅう構造をしているのでしょうか!

ドイツの方々は非常に頭が良くて几帳面で手先も器用ですから殻にとっては無問題なのでしょうが、私ら凡人には苦行に他なりません。

このように彼らは時として調整作業に異常な程の時間を必要とするような凝りに凝った構造を編み出してくるのです。

 

結果何も考えずにネジを緩めたことによって動きやすくはなったのですが、むしろ動きすぎて調整の収拾がつかなくなってしまいました。

二重画像が上下左右どころかやはり斜めにもズレるようになってしまいました。

穴にドライバーを差し込んで動かすのではなく、極細のドライバを差し込んで極小のハンマーでドラバーの頭を叩いて微調整をしようとしますが、力加減をちょっとでも間違うと一気にズレます。

ねじの締め加減を調節して動き具合を加減させながらハンマーの叩き加減も調節するというとんでもない面倒くさい方法でやっても上手くいきません。

 

 

もうどうにもならなくなってしまってギブアップしてもう一個買おうかとまで思ってしまった程です。

何度も何度もやり直して繰り返して『も~う駄目だ!』と集中力が無くなったらその日の作業は中止にします。

そして翌日に気が向いた時に再挑戦する。これを繰り返す事三日間、遂にとても良い位置に来た所でネジを締め込んで動かないようにしました。

『もう少しだけ精度を上げようか』なんて思ってさらに手を加えたらとんでもない事になりそうなのでこの辺でやめておきます。

というのもこの位置は偶然になってくれただけであって私も力で調整したわけではないからです。

その後は逆の手順で組上げていったのですが距離計ダイヤルを取り付けるためカニ目スパナでネジを締め上げていったのですが、ネジに刻まれた目印が∞のマークがピッタリと一致ししまいました!

さすがはジャーマンクオリティと感心させられました。

ヤシカクオリティではこうはいかんだろう。

 

 

使い方は

この様にストロボ(フラッシュ)の取付部に単独距離計の足をハメ込みます。

そして単独距離計を覗いて距離計ダイアルを動かして二重画像が一致したところの距離を読んでカメラのフォーカスリングを同じ距離の位置に動かします。

画像はペトリColor35に取り付けてみた例です。

 

 

コチラはキャノンのデミEE17に取り付けてみました。

ハーフサイズカメラにあるチープ感が払しょくされてキリッとハンサムになった感じがします。

 

ドイツ製と言えばその昔ポルシェに904というレーシングカーがありました。

この車のエンジンが空冷水平対向4気筒のDOHCなのですがカムの駆動方式がなんとギヤトレーン式だったんです。これには驚愕しながら『バルブクリアランスの調整はどうやるんだろう?バックラッシュの調整はどうするの?』思ったものです。

とても魅力的な構造で憧れましたがメインテナンスを考えたら全く興味がなくなりました。

また第二次世界大戦時の航空機用のエンジンでドイツのダイムラーベンツのDB600シリーズというとても優秀で強力な倒立V型12気筒エンジンがありました。

ある時博物館でDB601の分解されたこのエンジンを見る機会があったのですがシリンダーのスリーブの嵌め込み方式をみて『ナンなじゃぁコリャ!』とこちらも驚愕されました。『コンナ構造じゃぁ当時の日本では完全にコピーするのは無理だわ』と思ったものです。

今回の単独距離計のプリズムの構造もあれらに匹敵するレベルの驚愕を感じました。

ただその分とてもコンパクトにできるメリットはありますが…。

天才と狂気は紙一重と言ったところでしょうか。