きみの顔が思い出せない
だし体内の筒が思い出せない
わたしのセンチメンタル
そこに褪せた写真のような
沖縄風の田舎の道っぱたに
はかない古い石垣があって
うつせみの陽光が眼を眩ませて
酒に酔ってゆらめいて足元がおぼつかず
それを飛び越える事ができない
そんなふうに無様にきみとわたしは
ハナレバナレになってしまった
これまで千回万回と春は繰り返し
獣や魚や鳥や虫は
そんな蛆々した我々と違って
たやすく軽々と(ただそうみえるだけ)
行くべき場所へ向かって
抱きたい対象にひっしとしがみつき
ささやかにちゅっと精子や種を植える
せめて
せめてだ
わたしのきみへの手紙を
ちゃちで厄介な物質
例えばインクや紙や切手や妙な想い
を介入させずに届けたいのに
かつて凛々しい恋だった
と勘違いさせてくれないか
下手な素人裸足のわたしの唄よ
忘れっちまった幼い愛の文学が
厨二病の熱く紅い男根の安い炎に
ぐつぐつ煮崩れて朽ちる喜びを
きっと甘く苦く
上等な珈琲の如くきどった今頃の夜更け
相変わらずつまらなそうに
しみじみ戯れた性技みたく頬張っているけど
きっと仲間の雄共がそれらも飽きて忘れた頃
くろぐろと光る草むらに
天井の月光に照らされた青臭いそれに
わたしには黙って実は
きみの返事は切に
ひっそりこっそりそれなり
泥だらけで砂利だらけでも是非にと
みつけて欲しいはずなのに
とんまでのろまなわたしの自叙伝は
とうとう未開の踏み切りも過ぎて
ほれ
サイゴに残された土管
『上が駄目なら下を狙え』
しつこいボディブロウへの布石に通ずる
タイミングに気づくきっかけも失って
ちくしょうまたも
またもみすみすみのがすのか
いつもこうしてみのがすのか
お台場の夕映えの
ケシキに過ぎない
カップル達の影絵に紛れて
あいつらより輪郭がちょっぴり
あの日のきみとわたしの方が濃い
というオモイコミの
都合の良い答えのエビデンスの
でっちあげの帳尻合わせをする為の
素材集めさえままならないまんま