13年目の奇跡　♯79　捉え方、与え方

第４回セッション　　2013年10月29日

そうして迎えた翌日。

この日も、まあこが車で送ってくれた。

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先生が施術室へ入って来られた。

私の左膝を触って、「冷たいな」と。

「心を閉ざしていたら、何もできない。」

先生はどうしたのか、私に聞かれる。

これまでの経験から心に染みついた

恐怖、不信。
拒絶。

それは、経験からの物もあり、
幼少の、物心がついた頃からすでにあった感情でもあった。

もしかすると、
生まれた時に、すでに持って生まれた

特性のような思いなのかもしれない。。

あんなに幸福感に包まれてセッションを終えたのは、

たった２日前のこと。

自分の変わりように、我ながらびっくりした。

でも一度開いた扉からは
黒煙のように積もり積もった思いが
噴き出して来て、止まらない。

そして、今、
八つ当たりのように先生にその感情をぶつけている。。

どうにかしたいけれど、
自分でもどうしようもない。

こうして変わるクライアントの心に、
剥き出しにぶつけてくる感情に、
先生は辛抱強く向き合われて来たのだろうか・・・。

私は、自分の心情をとつとつと話した。

先生は、ひとつひとつを聞きながら、
掌を握りしめた様に

固く閉じた私の心を、
一本一本、指をほどくように、
時間をかけてほぐして下さる。

その為に、色んな話をして下さった。

「心を開きたいのに、開けない」

そんな自分がもどかしいし、悔しい。

同時に、

そんな自分に付き合ってくださっている

先生の優しさが心に沁みる。

こんなに治してもらって、

分不相応な対応をして頂いているのに、

まだ心を閉ざす私など、

「この恩知らずが！！」と一喝されて、

施術室から放り出されてもおかしくない。。

なのに先生は、

「裏切られても、裏切られても、
俺は絶対に見捨てない」

と温かい言葉をかけて下さる。

頑なに閉ざした心が、
先生の温かさに触れ、徐々に解れて行った。

気づくと、笑顔でセッションを受けていた。

驚いたことに、

その時噴き出た嫌な思いは、
先生との話の中で楽しいことに変わって行った。

思い出したくもなかった出来事も、
笑えるくらい、愉快な出来事になっていた。

先生は、

「物事って言うのは、全て合意の上で起きている。
それなら、良い意味を与えた方がいいじゃないか。
楽しい方がいいだろう？」

と言われていた。

辛い思い出。
悲しかったこと。悔しかったこと。
傷ついたこと。

噴き出した数々の思いが
違う角度からのヒラメキでどんどん愉快な話に
変わって行った。

冷たかった心が、
笑いと温かさで

柔らかく、

安堵して行くのが分かった。

私が笑い出すと、

先生は、体への施術を始めてくださった。

その施術は、痛みを取ると共に、
これから人生を始めるための体作りのような、

歩けずに重くなっていた腰回りをスッキリとさせて
体のラインを創ったりと、

まるで、彫刻の仕上げのような施術だった。

その時も渾身の施術であったけれど、
先生はもう、

汗だくになって施術をされることはなかった。

２度目の施術以降、
最初の時ほどに汗だくになって、
悪いものを吐いているように、苦しそうにされることはなく、

振り返ると、１回目の「基礎を作る」段階で、
ほとんどの痛みを取って頂いていたのだと思う。

そして３回目のセッションを終え、
「次は心の問題！」
先生が、そう言われていたけれど、

本当にその通りに、

４回目のこの日、私は、

起こったこと、過ぎたことへの捉え方
楽しい意味の与え方

辛い思いを昇華させ、
人生を楽しく生きる術を教えていただいていた。