そろそろ成果も出始めた里守り犬(その1)
しばらくブログに書き込みをしなくて申し訳ありませんでしたが、これから里守り犬訓練に参加している犬(人)達をシリーズで紹介することにしますので犬好きな方はもちろん、犬が苦手な方、鳥獣害対策に関心のある方はぜひ見てください。
鳥獣害対策としては別にシカ対策編もありますので、ご覧ください。
2期生も増えて充実してきた里守り犬軍団
里守り犬事業も2年目の半ばに入りました。
この事業は3年計画の予定で進めているものですが、今年も北杜市では7人(7頭)の2期生が参加し、訓練に励んでいます。南アルプス市の2期生は1人(持ち犬参加で1頭)です。
佐久穂町ではシカの捕獲のために活用できないかと考えています。
今年の北杜市の犬達のうち、農水省の事業で提供した子犬は2頭、あとはすべて持ち犬での参加です。しかもこのうち3頭は保護犬です。
まかり間違えばこの世から抹殺される運命にあった犬たちが、里守り犬として地域のために活躍することができるということは素晴らしいことだと思います。
人間を見たらおびえる、警戒心が強くなつかないなど、保護犬特有の反応を示していたこの犬たちも訓練を重ねるうちにすっかり落ち着きを取り戻し、せいぜい2週間か一月に一回しか会っていない私でも、目が合うと挨拶に来てくれます。
そのうちの1頭などは、野犬上がりで人に警戒心が強く、人の手から直接餌を食べたのは研修会に参加してしばらくして、私の手から食べたのが初めてという犬もいます。
この犬は北杜市で参加している「風(ふう)」という犬でアイリーンさんというスコットランドから移り住んでこられた方が飼っている犬です。
アイリーンさんは虐待されている犬や、野犬になっている犬を保護し、自分でしつけをして飼い主にあっせんするボランティア活動をされていて、常時数頭の犬を飼っている奇特な方ですが、さすがにしつけも上手で、2期生としていち早く上級のテストに合格しました。
里守り犬訓練に参加しているのは「ふう」ではなくてラッシーというボーダーコリーで、やや年をとっていますが、2期生のお手本の様に次々と課題をこなしています。
ただし「天は二物を与えず」という言葉にもあるように、ラッシーは飼い主に集中してよく指示どおりに動くのですが、肝心のサルにはあまり興味がなく、果たして飼い主から離れてサルを追い払えるのか不安なところもあります。
アイリーンさんのところには色々な犬が来ますので、血統書付きでなくても良いという方はアイリーンさんがしつけた犬を手に入れるという方法もあります。
ちなみにこの事業の可能性を確認するために、3年前にサルの群れを追い払う実験をした私の犬も、元保護犬のセッターです。
(その2に続きます)
また、この事業全体は中部西関東市町村地域連携協議会の広域対策事業で行っており、今年度から長野県佐久穂町でも里守り犬事業を実施する方向で検討中です。