いよいよ、3回目の抗がん剤治療が始まる。

 

恐怖のオンコビンが無くなったとはいえ、抗がん剤が体に入ることは変わらない。

 

今回は一体どんな副作用が待っているのだろうか。

 

そのことばかりで頭はいっぱいだが、思考が一周すると、もはやクイズである。

 

「次に来る副作用は一体何でしょうーっか!」つって。

 

過去2回、我ながら相当苦しんだという自負がある。

 

もちろん、世の中には私よりも何倍も苦しんでいる患者さんはいると思うが、私の人生経験においては、この副作用達は相当辛かった。

 

そう考えると、ある程度麻痺してくる。

 

また痛みが来ればその時に対処するしかないと、半ば悟りの境地にもいる。

 

だから、2%くらいは、次来る副作用が何なのか楽しみな自分もいる。

 

そんな変態的感覚にさせるのが抗がん剤という薬なのである。

 

そうこうしているうちに、着々と点滴の準備は始まっており、いつも通り吐き気止めから始まり、1種類目の抗がん剤がスタートした。

 

過去2回点滴中は全く変化が無い私だが、今回、唯一変化があったのは、この1種類目のダウノマイシンだ。

 

これは第一クールでも経験している。

 

おそらく今回の点滴がカテーテルではなく末梢血がゆえに起こったと思うが、血管に激しい痛みが襲ってきた。

 

我慢はできるものの、ピリピリ徐々に痛くなってくるので、一応看護師さんや先生に伝えておいた。

 

これはダウノマイシン特有の血管痛の症状だとのこと。

 

次に投与された2種類目のエンドキサンが始まると、血管の痛みはすぐに無くなった。

 

なるほど、確かに。

 

初めての経験だったので少々驚いたが、すぐに痛みがひいて安心した。

 

2種類目の点滴は約3時間。これも無事に終了した。

 

これで、第三クールの抗がん剤治療は晴れて終了となった。

 

とてもあっさりした治療だった。

 

だが、私の場合、本当の闘いはこれからだ。

 

過去2回とも、抗がん剤終了後の数日後から副作用が出てきたことを知っている。

 

むしろ投与の当日は一番平和なのである。

 

こんな時にやりたいことをやっておきたい。

 

後でアイスを食べようか凄い悩んでいる。

 

うん、食べよう。

 

治療の一方で、一度は中止になってしまった骨髄移植も継続して先生達が次の候補の方と話を進めてくれている。

 

どうやら、改めて前向きなドナーさんがいるようで、1カ月後を目安に移植ができるかもしれないという話をいただいた。

 

本当に有難い限りである。

 

そのためにも、しっかりと治療して万全な状態で移植に臨みたいと思った。

 

今回の治療は、移植前の最終仕上げの治療であるが、過去2回よりも軽めのメニューとなっている。

 

もし順調に行けば、1~2週間で一時退院ができるかもしれないとのこと。

 

それを聞いて、またやる気が出てきた。

 

どんな副作用が来るかわからないが、考えても仕方ないので、今日はご飯をいっぱい食べて、アイスいっぱい食べて、睡眠をいっぱい取ることにした。

 

オンコビンよ、今回は残念だったが、またな。