以前にも少し書いたが、長い入院生活において、気分転換の時間は非常に大切である。

 

1カ月以上も病室に閉じ込められて、日々苦しい治療と制限された生活を送っていると、どんなにメンタルが強い人間でも必ず気が滅入ってしまう。

 

それでなくとも、生きるか死ぬかの淵に立たされた患者にとっては、毎日が強い不安や心配との闘いなのである。

 

何をしたってどうせ辛いのだから、大事なのは、この苦しい入院生活を楽しむことである。

 

入院し始めた当初は、治療の辛さももちろんだが、仕事も家事も何もやっていない自分に対する後ろめたさがあった。

 

しかし、それがいつしか、全てから開放されて、こんなに自由な時間があることの喜びに考えを転換していた。

 

40歳を超えて、こんな自由時間を持てるなんて、最高じゃないか。

 

そう考えると、この治療中の空いた時間に普段やれないことを色々とやろうと楽しくなってくるのである。

 

時間の使い方は人それぞれだが、私の気分転換法をいくつかご紹介したい。

 

まずは、誰もがやるであろう動画の視聴である。

 

ジャンルはさておき、YouTube、Amazon Prime、ABEMA、などなど、様々な配信サイトでここぞとばかりに動画を楽しんだ。

 

普段の生活では、通勤時間の数十分か、寝る前の時間しか見ることができなかったが、今は無限に時間が用意されている。

 

今まで気づかなった新たなジャンルの興味関心の発見があるかもしれない。

 

次は、家族とのテレビ電話である。

 

これが意外とパワーになる。

 

大部屋だと電話ができないので、電話ができる限られたエリアに移動して、場合によっては気を使って話させなければならない。

 

しかし、治療で痛めつけられた心身にとって、5分でも10分でも、家族の顔を見ながら話をするのは、とても良いリフレッシュになるのである。

 

それが両親でも兄弟でも、同僚でも友人でも良いと思う。

 

常に独りぼっちの自分に、力強いパワーをくれることは間違いない。

 

治療で苦しみメンタルが崩壊しそうな時は、ぜひ重い体を起こして、誰かと電話することをお勧めする。

 

続いては、日記や読書だ。

 

これは、文字を書いたり読んだりすることが気分転換に繋がる。

 

私は読書よりもこの闘病日記を書くことで、かなりリフレッシュできた。

 

記録を残すことの重要性もあるのだが、集中して手と頭を使うことが、痛みや気分の重みを忘れさせてくれる時間になった。

 

読書も、文字を追いかけ、脳内に景色を描くことで気分転換にはとても良い時間になる。

 

苦しい時は、とにかく現実逃避するのである。

 

病院の中でできることも色々とある。

 

体が辛い時は億劫になりがちなのだが、シャワーに入る時間もかなり心身のリフレッシュになる。

 

入っても15~20分くらいだが、温かいお湯を全身で浴びて血行が良くなると、不思議と気分も良くなっていく。

 

治療状況によって入れるのであれば、毎日シャワーに入ることをお勧めしたい。

 

もう一つ院内でできることは、先生や看護師さんとの会話を楽しむこと。

 

毎日、必ず対面し話をする人達である。

 

この時間が苦痛になると、より入院生活が閉じこもったものになってしまう。

 

私は、特に先生との会話の時間を大切にした。

 

もちろん、治療について色々と聞きたかったのもあるが、その流れで色々な会話をすることで、気づけばそれがリフレッシュになっていたこともあった。 

 

最後に、一押しの気分転換は、ズバリ間食である。

 

先生に怒られそうだが、もちろん三食の食事をしっかり摂取するという前提だが、仮に食事が食べられなくても、どんどん間食すべきだと思う。

 

治療状況や気分によって食事が取れなくなることが必ずある。

 

そんな時は無理して食事を摂らず、好きなものを好きなだけ食べれば良い。

 

体重が減るくらいだったら、お菓子でもジュースでも飲んで、体重を減らさないことが大事だと思っている。

 

そして何より、それで気分が晴れるのであれば、精神衛生的にも堂々と間食をした方が良いと思う。

 

私は歌舞伎揚げ、コーヒー、コーヒー、アイスが尊敬すべき間食アイテムであり、入院生活の心の友だった。

 

これを書きながら、今も歌舞伎揚げをボリボリと頬張っている。