本日は第2回目となるハイパーコーポレイトユニバシティ。
今回は、ノーベル賞に最も近い日本人の1人で、近代MRI技術開発の世界的権威とも言われる
中田力先生の約7時間に渡る講義と2時間程の懇親会。
以下、メモとなりますが、高度な内容であるため、私の認識間違いもあるかもしれません。
鵜呑みにしないようにお願いします。
生命・地球において水・水分子が如何に重要な役割を果たしているか、
水の存在によって地球に生命が誕生したことを誰もが知るところですが、
その要因を細胞や神経、脳の構造からそれを知ることができました。
水は、H2O(水分子)、H30+(ヒドロニウムイオン)、H+(水素イオン)、
OH-(水酸化物イオン)の複合体であり、
変化性に優れた分子で、それ以外にはシリコンしか存在しない。
変化性に優れた水の存在によって、
細胞外液のナトリウムイオンと細胞内液のカリウムイオンのバランスから
電気信号が発信されている。
意識やこころが脳のどこに宿っているのか、心は大脳に蓄積された記憶から形成される。
全てはDNAの設計通りに作られているが、大脳で何を記憶するかは、何も定められていない。
大脳の記憶として、生後2年までに言語、6年までにビジョンが固まる。
生後6ヵ月~1年で、最も重要な記憶は、愛情であり、与え続けることで安定した正確になる。
抱き癖等問題なく、愛情を無限大に与えることが大切。
性格は10歳を超えると変えられない。
小脳は、適応型決定論的学習で、行動に連結した記憶。
反復練習することで、上手になる、例えば自転車や職人等がこれにあたる。
動物的なもので、どちらかというと欲(悪い習慣癖)で発揮されやすい。
※過去に気持ち良いと思ったことを反復したがる。
臨床神経学(解剖所見)で、大脳の一定箇所に一機能があるという局在論が唱えられ、
現在の日本でもよく言われているが、実際は異なる。
大脳はあくまでハードディスクのようなもので、
1部分が障害で使えなくとも、他の領域でカバーできる。米国では常識。
19世紀にJules Henri Poincareによって「数学が万能でない」ことは証明された。
つまり、1+1=2とならない、数学で解決できないことがある。
脳の構造からも数学的に解決できないことが多く、それらを複雑系と呼ぶ。
大脳で同じ記憶を辿ったとしても全く同じ結果を招くわけではない。
複雑系には、次の3つが存在し、還元論は通じない。
・非線形(non-liner)・・・確率が支配する1+1が2とならない世界
・動態系(dynamical)
・自己形成(self-organaization)・・・自然から生み出されるもの
人が作るものは全て記憶、自然が生み出したものでしかなく、
ユニークは自然からしか生まれない。
コインを投げ続けて、表であれば上へ、裏であれば下へ移動するとする。
100回投げ続けた時に、どこにいるかはわからないが、
次の1回を投げて上か下かは決まっている。
これを「歴史を問わない」と表現し、次のアクション対し過去を考えないことが大切。
心を作る脳
・染色体記憶(DNA)・・・本能
・小脳の学習・・・パブロフの犬
・大脳の学習・・・ポリアの壺(脳のなかの水分子 P93~95参照)
・前頭前野・・・情報を高度化し制御する(性格)、時空間を創造する力
脳は自分の都合の良いことしか認識しない。
→ うるさい場所でも集中すると、小さい声が聞こえる。
複雑系は、社会や政治、企業・事業等にも精通しており、
複雑系の扱い方を知るものだけが、国であれ企業であれ今後生き残れる。
複雑系の中で答えを見つけるには、まず第一に多様性を保つこと。
米国では多様性を保つために、多くの民族を受け入れている。
多様性は決して均一ではなくこのような形になる。
民主主義の場合、中央部分のみが注目されるが、
テール部分の情報を吸い上げ、必要であれば組み込むことが大切。
カルフォルニア州でシュワルツネッガーが州知事をできていたのは、
奥さんが有力なシンクタンクと繋がっていたため。
一方日本ではテール部分を切り捨てることが多く、多様性に欠ける。
次に線形思想を持たず(非線形思想:1+1が2とならない)、
多くの情報、考えが吸い上がる状態とし、その上で判断すること。
Googleはこれらをできている組織。
最後に、全体像で判断し、Order Parameterと言って、
最も影響を与えそうな要素を、とにかく、やってみること。
※リアルワールドの今期スローガンは「やっちゃいな!」笑
西洋哲学では、聖書で答え(解)は一つとされている。
一方、東洋哲学では、禅が良い例で、自然が答えであり、本来多様性に優れている。
医学界においても東洋医学は多く吸収され始めている。
しかし国や組織自体がこれらを受け入れられなくては生かされない。
終始、中田先生の知識の広さと考えの深さに圧巻され、
世界で活躍されている方の凄みに触れることができました。
今回で2回目のHCUですが、本当に多くの刺激と知識を頂いています。
「脳のなかの水分子」は課題図書の一冊でしたが、
メモで書いていることの一部もわかりやすく書いており、複雑系を知る上でお薦めです。
様々な要素が複雑に絡み合い成り立つ世界で、1+1=2ではなく
その複雑系、つまりは多様性をうまく受け入れたものが勝っていく。
REALBIBLE「予測不可能を愛せ」は、成長し続けようというリアルワールドの意志、
そのに必要な自然の原理で生まれた言葉なのかもしれません。
ここ最近、週末も平日の夜も予定が埋まっており、
今回は読書の時間を確保することに本当に苦戦しました。。