本日より2泊3日で勝屋さん 企画の徳島県神山町のツアーに合流しています。
松山(愛媛)から徳島に向かう場合、
電車では香川経由で余計に時間がかかるためバスで向かうことに。
さて、皆さんは、
地方での企業誘致と聞くと、どのような光景を思い浮かべますか?
海を埋め立てて広大な敷地を作ったり、
最新の建物を建てたり、
地元人材を育成し、雇用を提供しようとしたり、
私もそんなイメージしか持てていませんでした。
ここ神山町ではサテライトオフィスとして次のようなオフィスを提供しています。
そう、空き家となった民家を改装し、オフィスとして提供しています。
このオフィスは東京に本社があり、当社もお世話になっている三三株式会社のサテライトオフィス。
三三さんでは、開発人材が集中して仕事をしたい時に、自由に行き来することができ、
役員合宿等も、ここで行っているようです。
1人の人も無視しないため、良い意味でも逆の意味でも、人のぬくもりも感じられやすく、
地元の方から採り立ての野菜や魚、狩った猪や鹿等を頂いたり、飲みに誘われたり、
自然や建物等の外見のみでなく、コミュニティにおいても古き良き時代。
お金ではなく、人と人の信頼関係、
何かをもらったから何かをお返しするという独立した生態系。
通勤にかかる時間、その他多くのストレスから解放され、
自由になる時間が逆に増えたとのこと。
有名な建築家の方が改装の設計を行ったとのことでかなりお洒落なオフィス。
日本のシリコンバレーのようにしようとグリーンバレーと称して、
シャッター街となった空き家を提供し、新たなエコシステムを作ろうとしています。
現在建築中で年内完成予定のインキュベートオフィス。シャワー室も完備とのこと(笑)
大南さん
が「GREEN VALLEY」というNPOを立ち上げ、
サテライトオフィスの提供やアーティスト等の移住促進しており、
過疎化が深く進行し続いていた神山町だったのですが、近頃では転入者が上回り始め、
これらが話題となり多くのメディアにも取り上げられてます。
・グリーンバレーとは
・日経BP記事
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120705/234176/
大南さんのお話しをお聞きし、夜もお話しさせていただいたのですが、
非常に響いた言葉が多かったためまとめておきます。
「皆、無いものに目を捕らわれ、ないものを作ろうとするが、
あるものを利用し、活かそうとすることに意味がある。」
「自然の流れに逆らうのではなく、流れに従うこと。
過疎化を完全に止めることはできないし、無理なことをしようとは思わない。
しかしその流れを緩やかにし、一定のところで留めることはできる。」
「世帯数・人口数の将来目標を明確化し、逆算して移転者を増やしている。
増やす時も、神山町のあるがままを見て受け入れる人のみを受け入れる。」
「雇用や税収等を期待しているわけではない。
もちろん大切だが、化学反応で生み出されることを期待している。」
もともとグリーンバレーは、戦前に米国から贈られた人形の持ち主を
戦後探すところから始まっているのですが、
その時のメンバーも同じ理事として運営しており、それは、
「共通体験が何かをする時も障害や垣根をなくす」ためとのこと。
そんな神山町では昔ながらの風景を大切にしており、
住民の方々で整地し、昔の風景を復元しています。
また移住したアーティストが自然に溶け込んだ作品を創り、そのまま展示しています。
山里で最も目に飛び込んでくるのは樹齢500年のイチョウの木。
私も今までの人生で初めて見た大きさで、丁度色づいて来たタイミングでもあり、
この里の主と言っても過言でない程の雄大な存在感でした。
神山町では、古いものを壊すのではなく、自然も含め、建物や街並みも大切に保管しています。
この古きを大切にすること自体に大きな価値があり、温故知新という言葉の奥深さを感じました。
ここは昔使われていた芝居劇場。天井にあるのは広告。非常に味があります。
※一眼レフを持ってこなかったことを後悔。普通のデジカメながら頑張って撮影してます(笑)
夜は神山温泉に入り、宴会。諸先輩方から多く勉強させていただきました。
この1日目、私のイノベーションに対する考えを大きく改めさせられました。
イノベーションと聴くと、何かを壊したり、変えたり、ゼロから作ることをイメージしますが、
これらは物質的、外見上のことで、全てが画一化する流れでしかなく、
壊すことではない、守るからこそ生まれるイノベーション、周囲との違い、オリジナリティもある。
そして、これらは心や価値観、考え方を変えることから始まる。
この日の詳細は勝屋さんのブログをどうぞ。
元気パワーみなぎる徳島県神山町へ視察させていただきました(その1)
http://www.venturebeat.jp/katchaman/2012/12/%E5%85%83%E6%B0%97%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%8E%E3%82%8B%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E7%A5%9E%E5%B1%B1%E7%94%BA%E3%81%B8%E8%A6%96%E5%AF%9F%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F.html