『傅大師像と経堂 (清凉寺・京都嵯峨野)』
傅大師は、回転させるだけでお経を読めたことにする「輪蔵(りんぞう)」を考案した。
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【第67則 梁武帝請講経】
【本則】
梁の武帝が傅(ふ)大師に『金剛経』を講義してもらおうとした。
すると傅大師は、講義の席で机の上を片付けると、席をおりてしまった。
愕然とする武帝に、誌公が言った。
「陛下、意味はわかりますか?」
武帝が答えた。
「わからぬ」
誌公が言った。
「傅大師は、経の講義を終わられました」
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【頌】
不向双林寄此身、
却於梁土惹埃塵。
当時不得誌公老、
也是栖栖去国人。
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頌って云う、
沙羅双樹に身を寄せることなく、
梁の地に埃を巻き起こした。
あの時、誌公がいなかったなら、
傅大師は、そのまま国を出て行っただろう。
(注)…釈迦が亡くなるときに沙羅双樹が咲いた。
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『梁の武帝』