【第36則 《長沙一日遊山》】


 【本則】


 長沙はある日、山遊びをして、門前まで帰ってきた。


 そこの首座が聞いた。


 「和尚はどこに行ってきたのですか?」


 長沙が言った、


 「山遊びをしてきた」。


 首座が言った、


 「どこの山に行ってきたのですか?」。


 長沙は答えた、


 「始めは、かぐわしい草に誘われて行き、さらに散る花のあとについて帰った」。


 そこで首座、


 「まるで春の気分ですね」。


 すると長沙が言った、


 「やはり、秋の露が蓮の花に滴るよりもいいぞ」。


  【雪竇のコメント】 「お答えいただきありがとう」


***


 【頌】


大地絶繊埃、

何人眼不開。

始随芳草去、

又逐落花回。

羸鶴翹寒木、

狂猿嘯古台。

長沙無限意。

咄。


**


 頌って云う、


 大地には塵一つない。


 眼を開かない者はいるのだろうか?


 始めはかぐわしい草に誘われて行き、


 さらに散る花の後について帰った。


 痩せ細った鶴は冬枯れの木につま立ち、


 狂った猿は廃墟の丘に啼く。


 長沙の意識は無限に広がる。


***


【公案の解答例】

http://ameblo.jp/realroleplaying/entry-11616179136.html