名刺 | リアルオプション

昼間、賃貸マンションのテナントを訪問した。

私が引っ越しをする理由はない。

約90分にわたり、あれこれと条件をつけては、部屋の間取りを物色した。

改めて訪問することを伝え、女性担当者から名刺を受け取った。


その後、ハナの家に向かった。

ハナが住む1DK部屋の荷物は、ほとんど実家へ送られていた。

数日経てば、今この部屋にある全てのモノが空になる。


私は、「山西加奈子」と書かれた名刺をテーブルに置き、席に座った。

その後、彼女を連れてくるところまでの計画内容を再確認した。

「任せて」といった笑顔でハナは頷き、そして就職用に購入したばかりの名刺入れに、それをしまった。


今日も彼女のブログは更新されている。

わずか数時間でコメント24件が追加されている。


私は、彼女の虚像にメスを刺したいだけなのである。