【対象関係】から各タイプを診て行きます。
タイプ９は両方の親に対して愛着（肯定的執着）の関係にある。
幼い９の戦略は、両親と緊密に結びつき、自分と同一視することを覚えた。
他者と一体化することで自己感覚を発達させた。
しかし大人は、特に親はいつでも上機嫌ではないし仲違いもする。
内面に同一化したものすべての調和を保たせておくよう心的エネルギーの大半を使うようになった。
両親の不和や、親との離別は予想するだけで恐ろしい。
９は環境に人一倍敏感だが（センサーを持っている）、同時に恐ろしく無防備な人達でもある。
幼い９が最も恐れるのはそればかりではない。
「自分が死ぬのは怖くないが、両親が死ぬのは耐え難い」と感じている。
長じて執着の対象が変わると、その対象に転移される。
９は一体化したものを頭の中で擬人化することに慣れている。
自分の存在よりも大きななにかと一つになった、自然の一部となったと感じることで安らぎを覚える。
自然や動物だけでなく、縫いぐるみや、お話の中の妖精や時間、川の流れといった他者にとっては抽象的なものでも生きたものとして捉える。
無機質な物をも愛着の対象とする。
幼年時代に困難な状態を体験した９は内なる世界に退いて現実から乖離している。
無口で無気力な人に見える。
ほんのわずかな幸せを覚えていて、牛が干し草をそうするのと同じように体験を反芻して味わう。
悪い記憶はあまり持たないことが多い。
９は総じて大人になっても「ずぅ〜っとこの状態を維持しておきたい」強い願望がある。
内面の心地よい世界に執着すればするほど、外の他者や周りとつながりにくくなる。
深い受容性は９に情緒の安定と平穏さを与えてもいるが、同時にそれが葛藤を嫌い、内なる平和を脅かすものすべてを無視したがる理由でもある。
つながりを喪うこと、つながりが絶たれることへの強い分離不安がある。
なので小さな喪失をも他のタイプよりも深く体験するかもしれない（深手を負う）。
９は自分の怒りを抑えつける、というより気づかない人が多い。
心の真ん中を占める防衛的な作戦は「自分を消し去ること」であり、周りにとけ込み順応することである。
５の過集中に対して、９の過剰適応の問題が起こる。
どちらも我を忘れ自分の利害を忘れることでは共通している。
この戦略は荒っぽさを抑圧し他者に賛成してもらえないと思われる部分を隠すことを要求する。
ほとんどの９はこの戦略の結果に腹を立てることになる。
クラスの誰からも気に掛けてもらえない結果に陥るのだ。
しかしそれに対する怒りさえも、表現されるときにはオブラートに包まれた形をとる。
９が「波風を立てない」生き方を好むからと言って変化を拒むわけではない。
９は行動自体に問題を抱えてはいない。
日本時間、現地時間というようにタイプ９時間で徐々に変化へと進んでいく。
誰がなんといおうとそうする。
行動を起こす際の正しい方向を決めかねて葛藤する。
危機が迫る時まで決断を先伸ばしにし、もう後がない時に目を覚まして突如集中します。
目の前の人が何番のタイプかどうかの判定は、現れて表現されている性質よりも、その人になにが欠けているかに目を向ける必要がある。
９も同様で、自分の内面の本当のニー ズに対して長い間眠ってしまったという明らかな傾向が根底に診て取れる。
もっとも不健全な９は自力で人生を変えるのは難しい。
対処法を見つけたとしても「これは私には効くはずがない」と宿命論的に確信しています。
心の奥底には長い間の抑圧された怒りとニヒリズムが潜んでいる。
たった一回の失敗で、自分の人生はむなしい成果のないゲームであると確信しているためにチームの一員として奮起させることは容易ではない。
後回しにしている現実問題に取り組まざるを得ないと恐れ始めたら黄信号（不健全に落ちる）。
（つづく）
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