『言葉につける薬』ー呉 智英
●鉄唖鈴の悲鳴-①
✪日本語の表記は、表意文字と表音文字を混用する仮名混じり文である。この表記法は、以前は煩雑さだけが指摘されがちだったのが、最近では文章に自然と区切りができることなどの利点が注目されるようになってきた。さらに日本語には表音文字にも二種類の文字が使われている。平仮名と片仮名である。この二種類の表音文字も混用されている。現代では、地の文の場合が平仮名、外来語・擬音語・強調語などの地の文から浮かび上がらせたい場合が片仮名、というふうに使い分けるのが原則だ。漢字、平仮名、片仮名、この三種類の文字を美味く使い分けると、書き手の意図や感情がよく伝わる文章になる。逆に、使い分けが下手だと、嫌みな文章や品のない文章になる。それどころか、不正確な文章にさえなってしまうことがある。
●鉄唖鈴の悲鳴-①
✪日本語の表記は、表意文字と表音文字を混用する仮名混じり文である。この表記法は、以前は煩雑さだけが指摘されがちだったのが、最近では文章に自然と区切りができることなどの利点が注目されるようになってきた。さらに日本語には表音文字にも二種類の文字が使われている。平仮名と片仮名である。この二種類の表音文字も混用されている。現代では、地の文の場合が平仮名、外来語・擬音語・強調語などの地の文から浮かび上がらせたい場合が片仮名、というふうに使い分けるのが原則だ。漢字、平仮名、片仮名、この三種類の文字を美味く使い分けると、書き手の意図や感情がよく伝わる文章になる。逆に、使い分けが下手だと、嫌みな文章や品のない文章になる。それどころか、不正確な文章にさえなってしまうことがある。
ある女性雑誌でこんな文章を目にした。
「鉄アレーを使って筋力アップ」
女性も身体を鍛えようという記事だ。「筋力向上」を「筋力アップ」と中途半端な英語で書くことに抵抗も感じるが、女性誌のこの種の記事では許容範囲だろう。いちいち目くじらを立てるほどでもあるまい。問題なのは「鉄アレー」である。「アレー」じゃ時代劇の女の悲鳴だ。
では、どう書くべきか。
よく目にするのが「鉄アレイ」である。これはどうか。「鉄アレー」である。これはどうか・「鉄アレー」よりいいようだが、これもよくない。意味が通じない。「アレイ」って何だろう。合金のことを英語でアロイalloyというが、これが訛ったものだろうか。しかし、あんなものをなにもわざわざ合金で作る必要もない。見当ちがいである。片仮名で書くから、外国語に語源を求めてしまうのだ。
