『大人の教養を教えます』ー鷲田小彌太
●教養をもつための十戒ー⑧


【日記はつけるな】

日記をつける人がいる。すごい。自分の言行を、克明に記録する人がいる。すっごい。でも、真似をしてはいけない。歴史に自分を刻印してはいけない。歴史に自分を刻印しようとするほどの人は、どうぞ、ご勝手に、といっておこう。もちろん、私だって、メモ(備忘録)程度のことは、手帳に記す。それ以上でも、それ以下でもない。

日記をつけるエネルギーがあるなら、自分の考えを客観的に表現することに力を注いだほうがいい。人に見せるわけにはゆかないものは、書き記しておかないほうがいい。書くと、必ず露見するものだ。

 

とにかく、書いておかなければ、とにかく、しゃべっておかなければ、と意気込むことも、二、三日たてば、ただのがらくた、ということがほとんどなのである。他人の日記を読むのは面白い。ご苦労さん、という気持ちも湧く。でも、自分では、とくに意図した場合は別として、日記は書いてはいけない。