『大人の教養を教えます』ー鷲田小彌太
●教養をもつための十戒ー➄


【本に糸目はつけるな】

かって、教養のある人は、有閑階級に属していた。金持ちだ。

しかし、いまの日本人の生活程度は、総体としてみれば、物質的にも、精神的にも、その有閑階級よりも、はるかに上である。

しかも、書籍をはじめとする精神財は、問題にならないくらい、

安くなっているのである。

 

金がないから、本をはじめとして、教養に金を費やさない、というのは嘘だ。大学に行こうと思ったら、およそ、日本人なら、誰でもいける。教養を、ただで獲得しようとするのは、自分がどんな社会に生きているか知らないドケチ人間だ。

手っ取り早く、わかりやすくいえば、読みたい本は、自分の金で買って、必要なものは、自分の手元に置け、ということである。

図書館の本は、線も引けない。借りて利用するには、手間も時間もかかる。時は金なり。時は教養なのだ。

 

5,000円の辞典を、高いという人がいる。コーヒー10杯分だ。一週間分だ。辞典は、一生の友になる。

 

 

 

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