『大人の教養教えます』ー鷲田小彌太
●小説や映画が廃れたもう一つの理由ー②
✪つまらない映画
✪映画って、本当につまらない、というのは嘘だ。つまらない映画が多くなっただけだ。それも、昔の映画がとくに面白く、現在のが、それに比べて、てんで駄目だ、というわけでもない。
ただ、かっては、映画が教養と娯楽の最高水準である、と自負しておれる状態にあった。いまは、ただのタレントの大島渚も、かっては京大文学部一番卒業の「天才」伝説に包まれて、映画界に入っていったのだ。
映画作家の教養が、高級すぎて、娯楽映画としては成功しない、などというのは、根も葉もない嘘だ。映画がつまらないのは、映画作家が、観客の教養を満足させるほどの勉強も研鑽も積んでいないからだ。映画作家はも一度も、現在社会と人間を正面から直視するような勝負をしたことがない、というのが私の感想だ。
だから、寅さんや、釣りバカ日記というようなもので、いつも場所塞ぎをしなくてはならなくなるのだ。
