投稿写真

『大人の教養教えます』ー鷲田小彌太
●美空ひばりの気味悪さー①
✪私の歌を歌うな

✪1946年、敗戦の焼け跡のなかで、NHK素人のど自慢がはじまった。その暮れ、9歳の少女が、「悲しき口笛」を見事に歌ったが、歌い終わっても、鐘一つさえ鳴らなかった。「子供が大人の歌を歌っても審査の対象にはなりえない」「ゲテモノは困りますな」ということであった。

子供が、子供らしくない歌を歌う。下手なら見逃せる。ところが、大人よりうまいのである。
しかも、初めは、完全なものまねと見なされた。しかし、コピーではなかった。笠置シズ子は、ひばりが、自分の持ち歌を歌うのを禁止さえした。それほどに、ひばりは、完璧に、大人のプロ歌手も顔負けに歌を歌ったのである。

「子供らしい」というのは、もちろん、大人がこしらえたコードである。
その第一の格率は、「大人」より優れていてはならない、まずくなくてはならない、である。なぜか?「子供」の大きくなったもの、発展したものが、「大人」だ、と考えるからだ。でも、ひばりは、大人の誰よりもうまかった。だから、大人から見れば、化け物だった。

#ひばり #大人 #化け物だった