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『平成経済20年史』ー紺屋典子
●2兆円の公的資金投入で利益を得たのは誰かー①

🔯りそなへの公的資金注入は、株価を急騰させた。りそなをはじめとする銀行株だけでなく、株式市場全体に活気が戻った。バブル破裂後の最安値7607円をつけた4月と比べると、まったくの様変わりだった。

竹中金融相は、「不良債権処理が進んだからだ、改革の成果だ」と強弁したが、そうではない。竹中金融プランの180度の転換のせいだった。必要以上の査定の厳格化、不良債権処理で銀行を追い詰めていたにも関わらず、打って変わってりそなに2兆円もの公的資金を注入したからである。

銀行の株主は、破綻、国有化によって株価がゼロになるリスクを負っていたが、一転、そのリスクが消えたのである。米国での竹中発言以来、暴落していた銀行の株価が、急騰したのは当然だった。

しかも、竹中金融プランによって再燃しかけていた金融不安が、消えたのだ。不良債権処理とは、多くの場合、借り手企業の倒産を意味している。自己資本が減れば、銀行は、その12.5倍の融資を貸し渋り、貸し剥がしを余儀なくされる。そうしなければ、8%の自己資本を維持できないからである。
その結果、経済が悪化すれば、さらに不良債権が増えて、自己資本が毀損し、という悪循環である。りそなへの公的資金注入は、その懸念を吹き払った。だからこそ、銀行株を中心に株価が反転、急上昇したのである。


#竹中金融相 #株価が反転、急上昇した #自己資本の維持