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『元気の源・五体の散歩』ー外山滋比古
●知的メタリックシンドローム

🔯昔の人は、学校で勉強すると賢くなると信じる人が多く、無理をしても上級の学校へ行きたい、行かせたいと考えた。
いまは様がわり、二人にひとりは大学へ行く。大学を出たくらいでは高学歴だと言わない。高学歴と言われたかったら大学院を出なさい。家庭の母親がそんなことを言う。わが子を教える小学校の先生の学歴に不足があるという人もある。

学歴信仰者は、大学で勉強していると、頭がよくなるように思い込んでいるが、古い常識である。学校に長くいてもそれほど頭はよくならない。専門の知識はふえても、知能が高まる、ということは少ない。教わった知識の多くは、実際に役立たない。

それどころか、余計な知識が多くなると、頭のはたらきが鈍くなるおそれが小さくない。栄養が必要だからといって食べすぎれば、余剰の脂肪が健康をそこねるようになる。
それがメタボリック症候群といわれるのである。それと同じように、知識は必要だが、消化し活用できない知識がむやみとふえれば、知的メタボリック症候群になるおそれが充分である。

始末の悪いことに、知的メタボリックを考える人がない。みんな知的肥満になっていい気になっている。そして専門バカもふえる。現代は、知的メタボリック症候群にならないよう、専門バカにならないよう真剣に考えなくてはいけない。しかし、いまのところ、それを考えている人は少ない。


#知的メタボリック #症候群 #専門バカ