『運命を開く』-安岡正篤

●朝こそすべて

 

人間にとって大事な機のうち、われわれがもっとも大切にしなければならないのは朝である。フランスの有名な諺がある。

これは英国でも引用されるもので、極めて短い諺だ。

短い言葉でなければ機動しない。

 

There is only morning in all thing.

 

あらゆるものの中で、ただ朝だけであるという。

一日24時間、朝の後、昼、夜があると考えるのは死んだ考え方である。

活きた時間というのは朝だけだ。言い換えれば本当の朝を持たなければ

一日だめだという。

 

これは、その通りだ。だから朝寝坊するのは、一番いけない。

昔から優れた人で朝起きでない人はいない。

 

ただ人が寝静まって、周囲が静かになった夜でなければ仕事ができない

という人は別だが、常態では朝が一番大事だ。

 

これを外したら一日だらだらと無意味に終わってしまう。